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共謀罪に気を付けろ! [jam THE JAM]

4月6日のジャムザワールドカッティングエッジは、医療ジャーナリストの油井香代子さんと電話で話しました。油井さんは医療関係のテーマの時にしばしばご出演をお願いしているジャーナリスト、皆さんもご存じですよね。

今回は、台湾で開かれた鳥インフルエンザに関する国際会議に、日本から医療関係者が一人も参加しなかったという問題。もともと中華人民共和国を承認する代わりに台湾との国交を断絶した日本政府は、今もこの手の政治問題には全くの弱腰。政府だけでなく、様々な社会的地位にいる人たちが台湾を遠ざけるようなことになっている。これ、大変具合が悪いんですね。何しろ、鳥インフルエンザのような感染症は、国境なんか関係ないわけです。中国と台湾の間を行き来する人の数だけで一日1万人、台湾と日本の間もそれに匹敵する量の交通が現にある。となると、中国でかなり拡がってきている強毒型の鳥インフルエンザウィルスが、台湾を通って日本に入ってくると考えなければならない。当然、色々な対策が必要になるし、それぞれの医療当局の間で調整しなければならないこともたくさん出てくる。台湾は今、世界保健機関(WHO)加盟をしていないわけですから、国連やその他の国際機関で調整することは無理なわけです。であれば、今回のようなチャンスは二度と無いかもしれない。本当に国民の健康や安全を大事に思うなら、政治的な問題はさっぱりと棚上げして、サクサクやってもらわないといけないはずなんですけどね。全く、馬鹿馬鹿しい話です。

15MINUTESは、今開かれている国会でこれから審議が始まる「共謀罪について考えました。以前、ニュースの中で少しだけ触れたことがあったように思いますが、この問題、マスコミではほとんど取り上げられていない。組織犯罪処罰法の改正として導入されようとしているこの「共謀罪」は、犯罪行為の実行や着手が無くても、「共謀」しただけで罪に問うことができるというものです。警察に対して、途轍もなく大きな権限を付与することになりかねません。しかも、想定しているとされる覚醒剤事案などだけでなく、ごく普通の市民的な活動やジャーナリストの仕事などもこの法律によって取り締まられてしまう危険がある。日常生活に警察が厳しく介入してくるという問題でもありそうなんです。

残念ながらこうした法律が作られようとしていることについてはほとんど報道されていません。わずかに、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」が取り上げる予定にしているくらいです。同番組の特集コーナーは、「警察と人権」をテーマとした連続企画三本を予定していて、先月末に公安警察と微罪逮捕の問題を放送したのを皮切りに、順次、「実名報道と匿名報道」の問題、そして「共謀罪」を取り上げる予定になっています。著名なジャーナリストで、私も尊敬する大谷昭宏さんの渾身のリポートですので、チャンスがあれば是非ご覧ください。

テレビ朝日「サンデープロジェクト」

さて、ジャムザワールドでは、リボンプロジェクト・リミックスというグループのメンバーである、一橋大学教員、今村和宏さんをスタジオにお迎えしました。今村さんたちは、ちょっと取っつきにくいこの問題について、実例をたくさん用意したり、それを漫画で表現したりして、一般の人たちが「共謀罪」の問題性を広く認識してくれるよう、活動している人たちです。肩肘張らず、自然体でやっておられるようにお見受けしました。そんなところが好感が持てましたよ。今村さん自身、飄々とした方で、何となくスナフキンのようなイメージでした。怒られるかな。

「共謀罪ってなんだ?」(リポンプロジェクト・リミックスのホームページ)

新しい法律、特に刑事司法の世界でこういうものが登場する場合、想定されていた適用範囲と、実際に警察が用いる範囲とはしばしば異なってきます。学生運動の過激派を取り締まるのに効果を発揮した「凶器準備集合罪」は、もともとヤクザの抗争を取り締まる目的で成立した法律らしいし、最近しばしば問題になっている「住居侵入罪」などは、もともとは「夜這い」を取り締まるためとされていたらしい。「共謀罪」が実際に何に使われるのか、その答えが分かったとしても、この法律が出来てしまってからではもう遅いってことになっちゃうかな。国会での議論、要注目です。

J-WAVE

 


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