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耐震偽装事件の逮捕とその報道について [ブランチ業務日誌]

姉歯元一級建築士ら八人が逮捕されました。姉歯容疑者はふっくらと太り、木村建設の元東京支店長篠塚容疑者は激ヤセ。この違いは何を意味するのでしょうか。

それにしても、このところ、逮捕が近い近いとマスコミが言い続けてしましたから、逮捕そのものについては驚きませんでしたが、ご丁寧なことに前日になったら「いよいよ明日逮捕」と、各マスコミはまるで天気予報のようでした。別の喩え方をすれば、逮捕に至るおよそ二週間の「生中継」があったかのような有様。こういうのって、問題ないんですかね。勿論、彼らの犯した罪はそれぞれに重大なのでしょう。耐震偽装事件が巻き起こした住宅というものに対する不安の責任は、いつか誰かがとらなければならないということもよく分かります。しかし、まだ逮捕もされていない人物を、「今週中にも逮捕」「いよいよ明日逮捕」と実況中継さながらに報じ続けるのは、見ていて嫌な感じがする、そういう感覚は私だけでしょうか。情報の出元ははっきりしているわけで、この手の報道はまさしくリークの結果そのもの。であれば、リークをした側の意図というものを考えなければならないでしょう。

このブログでも、耐震偽装事件での逮捕劇が、千葉七区の補選結果に影響を及ぼすという観点からいくつかの記事を書きました。幸か不幸か投票前の逮捕という私の予想は的中せず、その結果かどうか、七区は民主党の太田和美候補が僅差で当選することになりました。それでも私は、官邸あたりが「結果に影響を及ぼす」目的で、耐震偽装事件の展開を促した可能性があると今も思っていますが、その目的はギリギリで達成されなかったことになります。

しかし、ここに来てのこの大報道は、また別の意味を持ち得ます。少なくとも結果としては、日米で「合意」が成立した米軍再編成に係わる3兆円の日本側負担のニュース、この点について報道の扱いを小さくする方向に効果があるように思います。マスコミで報じられる事柄の全体像を常にコントロールしようという意識を、現在の権力者はかなり強く持っていると私は思っています。彼、いや彼らは、そのことのもたらす絶大な効果を知り抜いているからです。

さて、今回の逮捕者に話を戻しましょう。一番気がかりなのはイーホームズの藤田東吾社長です。この人は、この耐震偽装事件発覚のきっかけを作った人であり、いわば「告発者」の部類です。見せ金増資が「公正証書原本不実記載」という刑法典の重大犯罪にあたる以上、そのことで裁かれるのは仕方がないとしても、今回の逮捕は明らかに「別件」であり、耐震偽装を見逃した確認検査機関の「責任」を問う動きそのものであると言わざるを得ません。それでも、この人を詐欺罪に問うことはまず不可能でしょう。彼に罪はあったのか、あったとすればどんな罪なのか。大新聞も是非興味を失わずに、継続的にウォッチしていってもらいたいと思います。

*ジャムザワールドの報告については、またまた別便で。


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