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回転寿司は好きですか? [jam THE JAM]

  3月15日のジャムザワールド。冒頭にコメントしたニュースは、「北陸電力、臨界事故を隠していた」「西部球団、早稲田大の選手に高校時代から裏金給与」「六カ国協議再開で経済・エネルギー協力作業部会」の三本。カッティングエッジは、小児科医師の自殺に労災を認めた東京地裁判決を受けて、亡くなった医師の奥さんに電話で直接聞きました。そして15MINUTES、「回転寿司激安ネタのカラクリ」を出版されたジャーナリスト、吾妻博勝さんをスタジオにお呼びして、回転寿司業界のお話を聞きました。

  回転寿司のネタには相当色々な問題がありそうです。使っている魚の名前を偽ったり巧妙に隠したりする「偽装魚・代用魚」問題。搬送中に死んだ活魚を二束三文で買いたたいて寿司ネタに転用する類。着色や鮮度保持のための薬剤使用に伴う安全性の問題などなど。知ってしまったら食欲が失せてしまいかねない実態を、行政は見て見ぬ振りというべきか、全く野放しの状態という。

  もちろん、回転寿司業界が担ってきた役割にも注目が必要でしょう。一般の寿司店が値段の点でも「格式」の点でも敷居が高くなりすぎた結果、元来は大衆的な食べ物であったはずの寿司が、高級(超高級?)和食に変貌してしまい、逆に消費者から敬遠されるような時代が長くありましたね。寿司は食べたい、だけど店には行きたくないし、そもそも行けない。そのギャップを埋める業態の一つが「持ち帰り寿司」であり、「立ち食い寿司」であり、「回転寿司」でした。そして多店舗展開で規模の利益さえ追求する回転寿司は、アッという間に過当競争の段階に突入。飽くなきコストカットのなかで、店のなかにはネタの偽装を行うところが出てきたということなのでしょう。

   *因みに、このなかで私が一番満足できるのは、時々行く「立ち食い寿司」の店です。あまり高いネタは最初から置かず、マグロや金目鯛のヅケを売り物にするようなタイプの店です。

  吾妻さんの著書はこれまで明かされることのなかった回転寿司のネタの問題を暴いた点で、衝撃をもって受け止められているようです。マグロのトロに化けるアカマンボウ、穴子と思ったらウミヘビだった、などなど。しかし、読者の反応は一様ではないらしい。「二度と回転寿司には行かない」という反応ばかりではないようなのです。確かに、回転寿司と一口に言っても様々であり、なかには良心的な店も多い。要は、客が店を選べるよう、少なくとも表示の公正さについての規制をキチンと行う必要がある。不明朗な流通に頼り続ける店が、やがて淘汰されていくようになれば一番良いはず。問題は、偽装に対して行政がキチンと規制を行うことに尽きるように思います。ともあれ、ご一読を。

回転寿司「激安ネタ」のカラクリ

回転寿司「激安ネタ」のカラクリ

  • 作者: 吾妻 博勝
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/01/12
  • メディア: ムック

 ところで、吾妻さんは、偽装や代用がもたらす害悪の最たるものを、「子どもの味覚が混乱させられる」ことと言っておられました。日本の食文化の重要な一部分である寿司という伝統食。偽装魚・代用魚が横行すれば、子どもはそれが本物だと錯覚してしまう。その話を聞いて思ったのは、松岡利勝農水大臣の強いイニシアチブ(思いつき?)で危うく始められそうになっていた「海外における日本料理の認証制度」のことでした。この制度については多額の予算まで付けられましたが、農水省は先頃断念を発表して、推奨制度にレベルダウンしたと報じられました。「正しい日本食」を広めようという、いかにも傲慢な発想に、海外からは「スシ・ポリス」と揶揄されたこの試み。本当に日本食を守りたいのなら、海外の日本食レストランではなく、国内の回転寿司のネタが本物なのかどうかチェックした方がずっと意味があるし、理解も得られるはず。今からでも遅くないので、大臣と農水省には是非検討してもらいたいと思います。


 


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