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富有柿 [ブランチ業務日誌]

11月2日に配信したuttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分を、一部加筆の上、ご紹介します。日曜祭日を除く毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガですが、【はじめに】のところでこんなことも書いています。 

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 昨夜、富有柿を食べました。

 私は柿が大好きです。

 ゴッドファーザー「愛のテーマ」が流れる室内。窓の外を見ながら私は呟いた。「柿は好きか?」と。「ええ、好きですけど…」と女が怪訝そうに答える。私はドスの効いた強い声で「俺は、おまえの何倍も好きだ!」とまるで吐き捨てるかのように言い、外を見たまま柿をかじる…。そのくらい、私は柿が大好きです。(はは。ちょっと前のチョコのCMのパクリですよ)

 ワケがあります。子どもの頃、家族の中で私だけ、柿を食べさせてもらえませんでした。

 虐待、ではありません。多分。

 親は、私が小さい頃に柿を食べて疫痢(子どもがかかる赤痢ですね)になったと言うのです。たまたま食べた柿に病原菌がついていたのかもしれませんが、この地上の柿すべてに責任があるはずもなく、親がなぜそんなふうに考えたのか…。死亡率の高い病気ですから、過剰に心配したということなのか、ひょっとしたら、夫婦間で「だから食べさせない方がいいと言ったじゃないか!」みたいな話になり、「この子はきっと柿に弱い子なんです!」というような飛躍から、「だったら、もう誠には柿を食べさせない!」みたいな、ひどく意固地で、その上、私にとっては完全にとばっちり的かつ無慈悲な結論が押しつけられたのかもしれない、いやいや、本当のことは分かりません。ですが、実際、私は「食べたら死ぬ」みたいに脅され続け、家族が柿を食べているのを、本当に羨ましく見つめているだけでした。

 柿を食べてもよいという許しが出たのは、私が中学生になってからだったと思います。説明も何もない、呆気ない転換でした。その柿は本当に美味かった。長きにわたる断食が効きました。ものを食べて感動することは度々ありましたが、あの感動は私にしか理解できないもの、今もそう信じています。

 さて、富有柿。比較的値段の高い柿でして、だからというわけではないですが、実はあまり食べない柿です。肉質が堅く、歯ごたえがあって甘いのが特徴かな。柿特有の、あの不思議な香りが強くないので、評価が分かれるのではないかと勝手に思っています。好きな人は、「柿の王様」みたいに持ち上げますね。私のように、柿の最も柿らしい香りや味を本能的にガツガツ求めてしまう特異体質の人間(そんなふうに育てられました…)からすると、大したことのない柿なのです。柿は値段じゃありません。

 11月に入り、お店に並ぶ柿の種類も増えてきました。私には本当に豊かな光景に思えます。そんな光り輝く柿色を瞼に浮かべつつ、今日11月2日の<uttiiの電子版ウォッチ>と参りましょう。

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続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料のメルマガ(一ヶ月324円)ですが、初月分は無料です。 

 

uttiiの電子版ウォッチ> http://www.mag2.com/m/0001652387.html    


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