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師走の森を歩く [森の記]

今冬は12月から本気で冷え込みますね。

さすがに森の木々もほとんど葉を落としてしまったので、
中を歩きながら上を見上げるとスカスカの雰囲気。
寒いけど明るい師走の森です。

地面には枯れ葉が圧倒的な量で降り積もっていて、
風が吹くとあちこちに文字通りの吹き溜まりができる。
片足を突っ込んでみると、膝くらいまで沈むほど深い。これが気持ち良い。
ガサガサと踏み込んでいるうちに子供時代に帰り、止まらなくなってしまった。

人の視線を感じてハッと我に返ると、犬の散歩にやってきたご近所さんがニコニコしている。
「どうも」と軽く挨拶、恥ずかしさを残して先を急いだ。

小さい森だが、コナラやクヌギに混じって、アカマツが三本。
この季節、森はアカマツの天下とも言える。

アカマツはまっすぐに立ち上がる風情の樹で、地上1メートルくらいから上の幹は
その名の通り、赤く染まったようだ。
うーん、派手な樹だなあ。
落葉樹がスカスカになってしまった冬はまっすぐに伸びた赤が余計に目立ち、
樹上には冬も枯れない緑の針葉も繁っているから、冬枯れの森の中でクッキリと目に映る。

もしも峠にこんな松が一本立っていたとすれば、
「一本松」と名付けけて「待ち合わせ場所」にでもしたくなるだろう。
二本なら「二本松」、三本なら「三本松」。

低い峰に立つアカマツからは、これまでにいくつもの松ぼっくりが地面に落ちた。
緩い傾斜を転がって、随分下の方まで行ったようだが、発芽はおぼつかないだろう。

 


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秋から冬へ [森の記]

風の強い日は、嫌いではない。

森の中を歩いていると、既に葉の数を減らした樹々が、
それでも風に呼応してゴーッと音をたててくれるので、
その音で自分が包み込まれているように感じられ、寂寥感に苛まれることもない。
ひどく寒い日ならば別だろうが、小春日和の続くこの頃、少々の風はかえって嬉しいくらい。
今朝もそんな感じでした。

それにしても、森の中からは急速に生き物の気配が消えつつある。
夏であれば樹液に群がっていたカナブンやタテハチョウの羽音はもちろん、
あのスズメバチの殺気もどこかに去っていった。
落ち葉の下の、さらに土の中には、ダンゴムシやシデムシなどの「掃除屋」が
ウジャウジャいたはずなのだが、今はそれも疑わしい。

それでも、こんな日の地表には、
本当ならもう少し樹上に留まっているはずだった葉が風に吹かれて落ちてきていて、
黄色や赤の落ち葉の中に、緑の葉を混ぜ込んでいる。
よく見ると、その葉柄には黒い実が付いていて、触るとポロッと落ちた。

なかなかの色使い、森にはまだまだ華やかな雰囲気が漂っている。

「騒々しい奴だな」

あちこちにできた落ち葉の吹き溜まりを、
連れている犬が後足で掻き散らすさまは浅ましいけれど、
まあ、今しかできないんだから仕方がないと諦めることにしよう。

森を出たところには、今まで気が付かなかった椿の壁ができている。
ピカピカの葉っぱに真っ赤な花。このアクの強さも一つの美しさには違いないが、
今朝は、まるで、人間のテリトリーがここから始まる印のように見える。

森からの帰途、誰かの家の庭に植えられたコブシの木が目に入った。
今、あの大きな白い花を見ることはできないけれど、
目の前の樹では、花に負けないくらい大きな葉が一斉に薄黄色に色づき、
互いにこすれあってはカラカラと乾いた音をたてている。
もうまもなく、この葉も地面に落ちてしまうことだろう。

11月が終わろうとしている。

*近隣の小学生が授業の一環として作っていた「芸術作品」ですが、
ビニール紐やガムテープとともに、撤去してくれました。
便乗的に捨てられたゴミはまだ少し残っていますが、そちらのほうは、
僕らが片づけることにしましょう。


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ビニール紐と森 [森の記]

我が家近くの森、散歩で毎日お世話になってますが、
このところ、ちょっとした異変が。

毎年秋が深まる頃になると恒例のようになってるんだけど、
近隣の小学校が授業の一環として子どもたちに
「自然物を使った創作」をやらせているんですね。

子どもたちは、木の枝や葉っぱで様々な「芸術作品」を作っている。
結構独創的なものもあって、それが小さな里山の森のあちこちに点在して
いるのを見るのは、一種、不思議な、楽しい経験でもある。

それ自体はとても良いことなんだけど、実は問題がある。

使われている材料の中に、ガムテープだとかビニールだとか、
要するに、森の中に本来落ちていないようなものまでが入っていて

うーん、ちょっとどうかなあ、と。

まあ、そういうものを使うことは、もしかしたら仕方がないのかもしれない。
でも、この「創作物」、ちゃんと片づけてくれないんですよ。
つまり、その期間が終わると、森のあちこちに得体の知れない
ゴミの山ができて、ビニール紐なんかが散乱することになる。
これ、困ります。

そんな状態が続くと、今度は一般の人の中に、
平気でゴミを捨てていく人が増えてしまう。
実際、去年もレジ袋なんかがこのイベントを境に急に増えてきた。
今年はまだ期間中だけど、既にゴミの投棄が増えています。

片づけるところまでやって、初めて教育だと思うんだけどなあ。
ついでに、森の掃除もやったらいいのに。
また、学校に電話しなくっちゃ。


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今秋は少し変だった。 [森の記]

自宅近くの森、毎日犬の散歩で訪れるところですが、

秋から冬に向かって、日々変化しているのが分かります。

しかし、今年の秋はどこか変でした。

ブルーベリーそっくりの実が樹上からたくさん落ちてきているところでは、

いつものように甘酸っぱい匂いが立ちこめていて、

森の豊かさを実感できるんだけど、それにしても

クヌギをはじめ、ドングリが少なすぎる。

去年は足の踏み場もないほどだったのが、

今年は数えるほど。

もしもドングリに頼っている熊がこの森に住んでいたとしたら

今年は厳しい冬になっていたことでしょう。

今秋元気だったのはキイロスズメバチくらい。

ニホンミツバチの巣を何十匹ものスズメバチが襲う現場を

今年は目撃。ミツバチは全滅してしまいました。

さすがに寒くなってきたので、

かつての「戦場」を覗き込んでも

見張り役のスズメバチに迎撃されることはなくなった。

そういえば、今年はキノコも少し変だった。

いつも見かけていたテングタケ系の毒々しいものが姿を消し、

代わりに、子供用のサッカーボールくらいある、

真っ白いボール状のキノコをいくつも発見。

ビックリしました。樹の根に寄生しているみたい。

名前、なんていうのかなあ。

一つ持ち帰って家の庭に置いておいたら、

ある日、真っ茶色になって爆発してしまいました。

胞子が飛散したのでしょう。今度はうちの庭に大量発生したりして。

そうそう、小鳥については種類も数も変わらないように見える。

今朝も、エナガの小さな群が樹冠を渡っていきました。


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