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私、耳鼻咽喉科が苦手です。
「はい。口を開けて~」と言われてその通りにすると、次の瞬間、あの恐ろしいステンレス製のへらのようなものが口に中に。喉の奥を見るためなのだと思いますが、へらの先で舌の奥をグイッと押される、その段階でもうダメ。耐えられず、ウゲーっとなってしまいますよ。
似たようなことは歯医者さんでもあって、特に「型をとる」ときがヤバイです。ピンク色でドロドロの印象材を盛ったトレーが用意され、これを口の中に突っ込まれるんですが、その印象材(アルジネートとか言いましたな…)が体温で固まるまでに3分、その間に、喉の奥の方に垂れてくるんですよ。しかも、上顎と下顎の2回。どうにも耐えられず、「ウゲー」となって大声を出してしまったことがありました。「ウゲ、ウゴゴ、グワグワ、オエエーッ!」私の叫び声が部屋全体に響き渡り、さながら「惨劇の治療室」みたいな感じになっちゃって…。
その時の先生がE先生。先生は非常に優秀な歯科医で、私が診てもらった先生の中でピカイチのかた。「ゲー」事件のことがあったので、「型どり」のときは非常にナーバスになっておられます。つい先日も…。
まずは先生、印象剤の量をできる限り少なくするところから、歯科助手さんに的確な指示を出しておられます。盛りすぎると、喉に垂れてくるからですね。そして、トレーを口の中へ。先生は私を諭すように「内田さん、上顎からやりますよ。これが済めば、下顎の方はずっと楽ですからね」(お、なるほど。難関は最初にクリアしてしまえということか!)「鼻からゆっくり息を吸って、深呼吸~、はい、ゆっくり吐いて~」。先生もご自分の指示に合わせて深呼吸。椅子はかなり倒して使うことが多いのですが、私の「型どり」のときだけは背中を立てた状態。そして、緊迫の3分間が始まりました。1分ちょっとたったぐらいのときに計算外の事態発生。先生の素っ頓狂な声が響きます。
「えっ、タイマー付けてないの?」
歯科助手さんが付け忘れていたようです…。
(ちょっ、ちょっと待ってよ!ということは、3分どころか、5分くらいやらないといけなくなるのか…なんか、ちょっと垂れてきたような気がするなあ、ああ、うぐぐ、深呼吸、深呼吸…)
というようなアクシデントはありましたが、ギリギリ、なんとかセーフ。長めの3分間が終わり、「うまく採れましたよ」とお褒めの言葉があり、一段落。E先生は「ちょっと、休憩しましょうか…」と私のことを気遣って下さいますが、いやいや、どんどんやっちゃって下さいと言いかけようとして気が付き、言葉を飲み込みました。
「休憩」が必要なのは私ではなく、E先生の方!
今回は目出度く、上顎でも下顎でも「惨劇」は起こらず、無事に済みましたが、E先生、もしかしたらトラウマになってるんじゃないかなあと心配になってきた、きょう6月28日の<uttiiの電子版ウォッチ>、ご覧下さい。
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以上は、6月28日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分です。土曜・日曜・祭日と新聞休刊日の翌日を除き、毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガです。【ショートバージョン】は午前中に、【フルバージョン】は当日中に配信できるよう、作業を進めています。続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料のメルマガ(一ヶ月324円)ですが、初月分は無料で読めます。是非お試しを!
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だいたい、観光立国なんてことを言うのは、文化果つるところが最後に出してくるものであって、もう、廃墟驀地(まっしぐら)なんだもんなあ…。
ちょっと分かりにくいかもしれません。2020年東京五輪で世界中から日本に観光客がやってくるときに、地方がその人たちを呼び込むことができるか、客として獲得できるかという話の中で、ゲストの出演者が「なんでも観光に頼るのは危険で、向き不向きを考えた方がよい」と言った後に、ホストが口にしたのが先ほどのコメントだったのです。
以前、私もナビゲーターというものを担当させてもらったことのあるJ-WAVEのジャム・ザ・ワールドという番組があります。その一部で、番組中番組の形でビルトインされた「ロハス・トーク」というコーナーがあるのをご存じでしょうか。雑誌『ソトコト』の小黒一三編集長がホスト役を務め、何かしら環境問題にコミットしている各界の人物をゲストに呼んで、小黒さんとのトークを聴かせるものです。月曜から金曜までの5回分、おそらくは一度に収録して、5回分に編集しているのでしょう。生放送2時間枠の中にある10分間は、ナビゲーターにとっては「休憩時間」ともなり、リスナーにとっては生と違うテンションで、気分をリフレッシュしてくれるものになっています。
これまで、小黒さんのコメントに感心したことはあまりない(笑)のですが、今回のコメントは凄いと思いました。今週のゲストは(株)トランジットジェネラルオフィスの常務執行役員の岡田光さんという方で、同社は「空間創造総合企業」と銘打ち、「ファッション、建築、デザイン、アート、音楽、飲食など」をプロデュースするという、実に「今風な」会社のようです。ただ、この岡田さん、ものを見る目に冷徹さというか、確かさのようなものが感じられるお話しぶりでした。あるとき、「10年後のライフスタイルを考えて欲しい」と依頼されたのに、「いいことが1つも思い浮かばなかった」といいます。ご自分でも、そのことにショックを受けたとお話になっていましたが、これはそのまま、小黒さんが言う「廃墟に向かってまっしぐら」状態の、今の日本を象徴する話なのだと思います。こういう方たちにも、日本の明るい未来を描くことは困難になっているのです。
闇が広がっているなら、徹底的にその真っ暗な闇を見つめるのも一興だなと思うようになりかけている今日11月13日金曜日(!)の<uttiiの電子版ウォッチ>、ご覧ください。
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以上は、11月13日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分です。日曜祭日を除く毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガですが、【はじめに】のところでこんなことも書いています。
続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料のメルマガ(一ヶ月324円)ですが、初月分は無料です。
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東京の地下鉄東西線西葛西駅周辺に、多数のムクドリが集まってきているのをご存じでしょうか。
昨日、久しぶりに駅近くを車で通りかかりましたら、なんだかザワザワと音がしているではないですか。クルマを止めて窓を開け、上を見たら、空がとんでもないことになっていました。
無数の鳥が飛んでいます。
この集まり具合は、ムクドリしかあり得ません。数千羽いるでしょうか、鳥たちは、まるで波が寄せては返すように、空のあちこちで濃淡の模様を描きながら舞っています。前には大きなクスノキが植わっていて、そこをねぐらにしている大群が、夕方になると戻ってくるらしいのです。私は1年ほど前に見たのが初めてでした。久しぶりに眼にしたムクドリの大群、以前より、かなり数が多くなっているように感じました。
糞公害だとかうるさいとか言って、鳥を嫌がる人たちも多く、江戸川区は毎週高圧洗浄機で掃除することになっていると、どこかのテレビ番組で報じられたこともありました。ただ、対策といっても、ちょっと手の施しようがない。いっそ諦めて、自然の力の大きさを知るよい機会として、むしろ野生生物との触れ合いを味わった方がいいと思います。内田は鳥が大好きなので、鳥サイドからものを言うことが多い分、ここのところはどうぞ割り引いて読んで下さって結構です(笑)。
しかし、同じ種類の動物を一度にたくさん観る機会というのは、あるようで、案外無いですね。蜘蛛の子を散らすといっても数十かせいぜい100、スズメバチに巣を襲われたミツバチが応戦している様を見たことがありますが、出動していたのは200匹ぐらいだったかな。アリはたくさんいるようですが、巣が地下にあるので、まとめてみることは案外ない。越冬中のカメムシは500から1000のオーダーでしょうか、これはかなり多かったけれど、そんな程度。
テレビで見るニュージーランドあたりの羊の群れは凄い頭数ですが、国内ではどうでしょう。放牧されている牛の群だって、せいぜい100頭止まり。虫に戻って、赤とんぼ、カマキリの仔、雪虫…。ゲジゲジはたくさんいるんじゃなくて足が多いだけ。同時に3匹見たことがあり、本当に気持ち悪かった。関係ないですか。ということで、ここまでで最多はカメムシ、ということになりますね。
人間はどうでしょう。後楽園や甲子園サイズの球場だと6万人規模ですかね。これは凄い。新しく作られてしまうらしい国立競技場は8万人収容とか。安保法制に反対して8月末の日曜日に国会前に集まった人の数はもっと凄い。主催者発表で12万人でした。弾圧が始まるまでの天安門広場には50万とも100万ともいわれる学生や市民が集まっていました。68年パリ五月革命の時のカルチェ・ラタンはどうだったんだろう…。ゼネストに参加した人は1000万人とも言われている。同じ年のアメリカ大統領選、シカゴの民主党大会も凄かったらしいし、69年のウッドストックには40万人が集まった…。
おそらく人間は、生物界で最も集まることが好きな種なのだと思います。そして人間が集まる理由は三つ。スポーツの熱狂と音楽の熱狂、そして政治的な熱狂。どの熱狂にも足を掬われないよう注意しなければいけないですが、それでも私たちは集まって、何事かを成し遂げる、きっとそのように宿命付けられているのではないか、そんな気がしてきた今日10月30日の<uttiiの電子版ウォッチ>、ご覧ください。
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10月30日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分です。日曜祭日を除く毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガですが、【はじめに】のところでこんなことも書いています。 続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料のメルマガ(一ヶ月324円)ですが、初月分は無料ですよ。
<uttiiの電子版ウォッチ> http://www.mag2.com/m/0001652387.html
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先週の「デモくらジオ」でゲスト出演してくださった大西弘記さんの新作、『最後に歩く道』(劇団TOKYOハンバーグ)を観てきました。熊本市の動物愛護センターが殺処分ゼロを実現した事をきっかけに、大西さんが熊本を取材し、書き上げた渾身の作品です。パンフレットには、こんなことが書いてありました。
「犬と猫と、それを捨てる人と、それを守りたいと願いながらも殺す人と」
舞台には動物愛護センターの職員たち、捨て犬や捨て猫を保護しているボランティア、そして犬や猫が登場します。犬や猫を捨てる人たちは出てきませんが、舞台上の職員や犬猫たちの上に、巨大な暗雲のような存在として、覆い被さっているようなものがあり、それこそ主人公、いや被告に他ならないのではないかと感じました。もちろん、私たちの内側に潜んでいる何かです。このところ涙腺が弱くなっているから余計にそうなのですが、私は何度も流れ落ちる涙を拭わなければなりませんでした。
経営破綻して行方をくらましたブリーダーの犬舎に、職員たちが向かうシーンがあります。取り残された犬たちの惨めな状態に、呆然とする職員たち。なぜこんな事が起こるのか。一人の職員が叫びます。「金を出して犬を買う人がいるからだよ!」
台詞の引用は正確でないかもしれません。そういう意味のことを彼は叫んでいました。本当にそうです。犬を、金を出して買う人がいる。たくさんいる。だから商売が成り立ち、産業として犬を増やし、売れないもの、商売に不都合なものは処分するしかない。商売は時として失敗するから、丸ごと放り出す輩もいる。逃げたブリーダーは、もしかしたら「心優しい」人で、犬を殺すことができなかっただけなのかもしれない。でも、責任を放棄した。そして、犬を守りたい職員たちが代わりに殺すことになる。「誰かがやらなければならない仕事」として。
大西さんはいつも直球勝負。裸で逃げ出したくなるような大問題を正面から観客に突きつけては、心の中に潜んでいる葛藤を次々と抉り出してくれます。劇団TOKYOハンバーグの『最後に歩く道』は、11月8日日曜日まで。会場は、東京・新宿のサンモールスタジオです。チケット前売り、当日券についてはTOKYOハンバーグのホームページから確認してください。
来年は劇団ができて10年だそうで。東日本大震災を背景にした作品『愛、あるいは哀、それは相』(私も観ました)に手を入れ、震災5年を機に再び上演するということです。これからも楽しみな劇団TOKYOハンバーグをもっと皆さんに知ってもらいたいと思う今日11月4日、休み明けの<uttiiの電子版ウォッチ>、ご覧ください。
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