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天安門事件をご存じですか?(1) [uttiiの電子版ウォッチ]

メルマガとこのブログで、「上海シリーズ」をお届けした時に、上海は初めてだったが、「北京、瀋陽、大連、内モンゴルの各都市、そして返還前の香港」には取材で訪れたことがあるという意味のことを書きました。

今日から数回に分けて、89年6月、天安門事件直後の中国を取材した時のことをお話ししたいと思います。人民解放軍による市民学生に対する銃撃が始まった6月4日から少したって、当時、私が関わっていたテレビ朝日「モーニングショー」という番組でも取材できないかという話が持ち上がり、ディレクターと私の2人で行くことになりました。

しかし、既に北京の空港は閉鎖されていて、直行することはできません。それでも、空港が再開されるタイミングをできるだけ近いところで見計らおうということで、まずは香港に。当時はまだ返還前ですので、中国政府の“威光”届かぬ、別天地でした。新華社(中国政府系の通信社)前にはいつも大勢の学生や市民が集まり、抗議の声を上げていました。その様子などを取材していた時です。学生の1人に声を掛けられ、話しているうちに私たちが北京に入ろうとしていることが分かると、何人もの学生が集まってきて、口々に「行ってはいけない。殺される」と真顔で私たちに忠告をし始めたのです。みんな、本気で心配してくれています。なんて優しい人たちなんだろう…。こちらとしては「安全にならなければ北京には入れないから大丈夫だ」とかなんとか言ったのだと思いますが、やっと納得してもらったのを覚えています。

北京空港が再開されたのは、事件から6日たった6月10日のことでした。香港の啓徳空港でパスポートチェックの時、係官に「北京に行く目的は?」と聞かれたので、仕方なく「観光だ」と答えたら、首を横に振って「クレイジー」と言われ、そして通してくれました。北京空港には、その日の午後に到着。テレビ朝日の特派員の方が迎えに来てくれ、「今朝までは銃声が聞こえた。これまで民主化運動の学生や市民、海外のジャーナリストに味方してくれていた一般の人たちが、一斉に政府側につくようになって、とても危険なので注意するように」と言われました。市民の間で“明哲保身”という言葉が流布し、海外のジャーナリストたちを発見すると警察に通報するようになってしまったというのです。

正直、やばいところに来ちまったなあと思いましたが、もう後には退けません。タクシーに乗って市内に向かうのですが、早速、緊張感のメーターが振り切れるような出来事が起こります。この続きは次回ということで。
 
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以上は、11月27日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分をもとに、加筆したものです。本体は、土曜・日曜・祭日と新聞休刊日の翌日を除き、毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガです。【ショートバージョン】は午前中に、【フルバージョン】は当日中に配信しています。続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料ですが格安のメルマガ(一ヶ月324円)、しかも初月分は無料です。 

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格安航空会社を使ってみた(その2) [uttiiの電子版ウォッチ]

さて、前回からの続き。上海旅行でお世話になったLCC。格安運賃が売りの飛行機の話です。

実は、上海に向かう飛行機の座席、思ったより広く、間隔も十分だったのです。快適とは言えませんが、上海までの3時間我慢するのは容易いことでした。ちょっと意外…。

離陸して少したつと、機内では、事前に注文してあった乗客のところに、紙のパックに入ったお弁当のようなものが配られます。魯肉飯というのでしょうか、一つ一つ電子レンジで温めては客のもとへ。お蔭で機内には食べ物の匂いが立ちこめることに。良い匂いなので、どうということもありませんでした。私のように注文していなかった場合は、無料の飲み物などを含め、サービスは一切ありませんが、空港で買っておいたペットボトル入りの水がありますので、何ら支障はありません。

参ったのは、たばこや免税品の機内販売です。1人の男性客室乗務員が通路最前部に立ち、商品を満載したカートを前に、結構大きな声でアナウンスを始めました。中国語ですので何を言っているのか分かりませんが、どうも、一つ一つの商品の説明のようです。中国人乗客を対象にした「販売大作戦」でしょうか、マイクを手に、だんだん熱を帯びてきたようで、必死の訴えが延々と続きます。これがうるさくてたまりません。後で聞いた話ですが、この売り上げが、ボーナスとしてかなりの収入になるようなのです。必死になるのも分かります。ですが、こちらは眠い、あるいは本を読みたい。参りました。不要なサービスはなくて構いませんが、これじゃ、マイナスのサービス。せめて静謐な時間と空間を!と言いたくなります。

私の隣は若い日本人男性で、LCCに乗り慣れた人のようでした。彼はこの「物売り大演説」のタイミングを知っていてようで、その時は座席の前のテーブルを平らにし、そこに突っ伏すようにして眠っている様子でした。落語で言えば、「大家の義太夫」よろしく、うるさいものは頭のてっぺんで受け止めるのが一番ということなのか。いやはや賢いですね。これもあとで聞いた話ですが、LCCでは、前席の背中に付いているテーブルを通常よりも頑丈にしてあり、そこに突っ伏して寝ることを想定した作りになっているのだそうです。そういえば、そうやって寝ている人が何人もいました。

2時間半くらいたってもうすぐ着陸という頃、機内には英語と中国語、日本語で妙なアナウンスが響きます。「皆さま。本日のご搭乗、誠にありがとうございます。そろそろお疲れを感じる頃ではありませんか」と。見ると、客室乗務員が通路に立っています。そして、なんと体操が始まりました。

その名も「春秋体操」!

手を上に伸ばしたり、身体を揺すったり、座っていてもできる体操のお手本を乗務員が見せ、後について身体を動かすよう、促すのです。私は照れくさくてできませんでしたが、“常連”らしき中国人乗客を中心に、かなりの人が身体を動かしていたようでした。エコノミークラス症候群を防ぐためだということはすぐに分かりました。

さて、LCCの旅。実際に安かったのかどうか、これについて言っておかなければなりませんね。

今回、茨城空港から上海浦東空港まで往復で2万1千円あまりでした。その中にはネットで座席指定をした1800円が含まれますので、それがなければ2万円を切ることになります。今、日本航空の国際線エコノミークラス割引運賃で、6万数千円といったところですから、その3分の一。やっぱり、激しく安いということになりますね。

それと、何泊するかにもよりますが、茨城空港は駐車代がタダなので、行き帰りの高速代とガソリン代は若干余計に掛かったとしても、羽田の駐車場代を計算すると、かえって安いくらい。

1つ注意が必要なのは、2万1千円の内、航空運賃は往復で1万2千円ほど。燃油サーチャージと称するものが5500円入っていたことです。レガシーでも同じように取られますが、これ、原油価格が下がった今、間尺に合わない経費に見えます。どうも、標榜する料金ではやっていけない現実があるのではないか…。このあたりに、今のLCCをはじめとした“格安運賃”の限界が隠れているような気がしています。まあ、それでも、凄く安いんですけどね。

というわけで、「上海話」はここまで。お読み下さいまして、ありがとうございました。次はいつどこに行こうかな、と思い始めているきょう11月22日の<uttiiの電子版ウォッチ>と参りましょう。
 
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以上は、11月22日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分をもとに、加筆したものです。本体は、土曜・日曜・祭日と新聞休刊日の翌日を除き、毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガです。【ショートバージョン】は午前中に、【フルバージョン】は当日中に配信しています。続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料ですが格安のメルマガ(一ヶ月324円)、しかも初月分は無料です。 

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格安航空会社を使ってみた(その1) [uttiiの電子版ウォッチ]

先週からお届けしてきました「上海話」。あと1つで、一応の締めくくりということになります。ただし、五つ目のテーマ、話が少し長めになりそうですので、今回と次回の2回に分けてお届けしたいと思います。今回のテーマ、実は、厳密に言うと“上海”の話ではなく、行き帰りの飛行機の話なのです。これが、色々と面白かった。

今回初めて、LCCというもののお世話になりました。ロー・コスト・キャリアー。運賃が格安になっていることが特徴の航空会社を、略してLCCと呼びます。それ以前からある航空会社をわざわざ“レガシー”と呼んだりするのは、新興勢力であるLCCと区別する意味合いがあるのではないかと、これは私の勝手な想像ですが、思っています。

とはいえ、日本のLCCのなかには、日本航空や全日空の傘下に入っているものもあります。譬えは悪いですが、バブル期の銀行とノンバンクの関係みたいなことでしょうか。ピーチアビエーションとバニラ・エアは全日空系、ジェットスター航空は日本航空系と言ってよさそうです。“独立系”を含め、資本関係はそれぞれに複雑ですが、要は、サービス簡素化などコスト削減を徹底し、安い値段で乗れるようにした飛行機ということで、これまで飛行機を利用してこなかった人たちにも乗ってもらい、新しい需要を開拓していこう、という動きが背景にあります。

さて、私がお世話になったのは、春秋航空という、中国系の航空会社でした。中国では初の、そして最大のLCCだそうで、中国の国内各地を結ぶほか、日本との間に国際便も飛ばしている大手です。経営トップの王正華さんは、乗客の「立ち乗り」を検討していると言ってみたり、「片道1円航空券」をぶち上げたりと、物議を醸すのも巧みな辣腕経営者。立志伝中の人物でもありますから、きっと、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

コストダウンは様々な方法を駆使して行われているようでした。乗客が実感できることで挙げると、座席の間隔を狭めて大勢の客を乗せている、機内サービスはほとんどなく、あっても有料、ボーディングブリッジではなく、懐かしいタラップを使用…といったところでしょうか。乗務員の採用方法や訓練方法とか、目に見えないところでも、とにかくコストは削りに削り、「1円の無駄も許さない」。これが“LCCの本分”と言うわけです。

今回のフライトで実感したことをいくつか挙げていきますが、今回はここで“寸止め”(笑)。ここから先は次回のお楽しみということに。それでは、11月21日月曜日の<uttiiの電子版ウォッチ>と参ります。
 
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*茨城空港に駐機中の春秋航空、A320。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
*こちらは上海浦東空港で。 
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以上は、11月21日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分をもとに、加筆したものです。本体は、土曜・日曜・祭日と新聞休刊日の翌日を除き、毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガです。【ショートバージョン】は午前中に、【フルバージョン】は当日中に配信しています。続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料ですが格安のメルマガ(一ヶ月324円)、しかも初月分は無料です。 

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