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ピーコさんはお休み。グレーゾーン金利。 [ANCHORの庭]

 9月11日のスーパーニュースアンカーは、冒頭に911について簡単に触れた後、グレーゾーン金利を巡る与党政府内の軋轢を取り上げました。キャスターの山本浩之アナが、金融庁提出法案に抗議して政務官を辞任した後藤田正純議員にインタビューし、その模様が流れた後、スタジオでは様々なトークがありました。(今日はいつものピーコさんがお休みで、代わりに高木美也子日大教授が出演しました。)

 金融庁案の基礎になっている貸し金業界の理屈、それは「金利を下げられたら審査を厳しくせざるを得ず、結果として金を借りられない人が増え、業者も倒産する」というもの。しかし、「語るに落ちる」とはこのことで、多くの貸金業者が、これまでまともな審査をしてこなかったことを「自白」しているようなものでしょう。後藤田前政務官も言っているように、貸金業者のうち、信用情報を利用しようとしているのは2割に過ぎず、つまり、貸してはいけない人に対しても、業者は事実上意図的に貸し込んでいるのが実態。

 多重債務者が大勢生まれ、自殺者がどんどん増えても全く構わないというなら別だけど、このことを社会問題として捉える以上、抜本的な解決策は、金利の一律引き下げしかない(グレーゾーン金利の撤廃も、金利引き下げに繋がらないなら全く無意味ということ)。そのために業界の一部が営業上不利益を被り、それが会社を継続しがたいほどのものであるならば、どうぞご自由に退場してくださいと言わざるを得ませんね。新しい金利のもとで新規参入してくる業者はいくらでもいるでしょう。

 番組では触れられなかったけれど、貸し金業界は、「全国貸金業協会連合会」という社団法人を組織し、政治団体としては「全国貸金業政治連盟」なるものを根城に、政治家に対する働きかけをしている。今回の業界寄り金融庁案の背後には、こうした動きに呼応する「族議員」が存在していたようだ。政治献金やパーティー券購入などで「お世話に」なれば、議員たちは「恩返し」をしたくなるわけでしょう。カネで政策を売るという悲しい現実は、今もあちこちに存在している、その証拠の一つでもありますね。

 因みに、小泉内閣の5年間に行われた「構造改革」「規制緩和」によっても、こうした利権構造が打破されたわけでは決してなく、利権実現の筋道を付け替えただけだったという見方も可能なようです。未読ですが、そのあたりは金子勝さんの近著、『戦後の終わり』が面白いかも。

戦後の終わり

戦後の終わり

  • 作者: 金子 勝
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 単行本



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共通テーマ:日記・雑感

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