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謹賀新年2011! [ブランチ業務日誌]

あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。

 いきなりで恐縮ですが、、、いったい菅さんの内閣は何がしたいのでしょうか。

「〇九マニフェスト」を事実上かなぐり捨て、「成長重視」に舵を切ったというのに、「新成長戦略」に取り組むはずの新年度予算案をみると、僅か一兆円足らずしかこの分野に配分していない。また防衛と税制の二つの大綱も、官僚機構の自己保存本能と対米追従姿勢の「権化」のような代物。政権交代の果実も、政治主導の証も、その影さえ見当たらないと言ったら言い過ぎでしょうか。お得意の「ニッポンを元気にする」などという空疎なスローガンのもとに、菅さんは昔の政治に戻ろうとしているのでしょうか。ひょっとすると、菅内閣の成立は、一昨年八月の政権交代のあと、再び起こった政権交代なのではないか。自民党に代わって菅さん率いる民主党が「自民党政治」をやっているのではないか。そんな疑問が湧出し、やがて肯定されるようになるかもしれません。そうなると、民主党に期待していた人たちにとって、菅内閣は「打倒の対象」になりかねません。本当にそうなのか、二〇一一年の年明けは、この問いとともに始まらざるを得ません。

 

さて、昨年の年賀メールでは、政権交代によって「間違いなく私たちは河を渡」ったと書きました。もう大きく後戻りすることのない、変革の時代に入ったと考えたからです。もちろん、色々な困難はあるでしょうし、行ったり来たり、試行錯誤はあるだろうとも思っていました。ですから、民主党政権に過剰な期待を抱く人々に対しては、「民主党の政府などというものはろくなものではないだろう、それでも政権交代には歴史的な意味があったのだ」と言うことにしていました。逆説的に聞こえるかもしれませんが、私がそのように慎重な言い回しに努めていたのは、政権交代がもたらす変化のトレンドそのものは変わりようがないと固く信じていたからです。ところが、それほど確かと思われたことが、徐々に、いや、急速に怪しくなってきました。

 

この間の出来事については、民主党の志がねじ曲がってしまったのではなく、有権者=国民の支持を取り付けることに失敗してしまっただけだと見る向きもあるでしょう。その場合は、参議院選挙の敗北が決定的だったということになるのでしょう。民主党自身に大打撃を与えた菅さんの「消費税一〇%」発言。あの発言の問題性を軽く観る人もいますが、それは間違っていると私は思います。鳩山さんが「四年間は消費税率を上げない」と言ったことを否定してしまったこと、行政の無駄を削ることはもう諦めたと受け取れたこと、来年度から税率が上がるかのように言ってしまったことなど、政治家としては信じられないほど乱暴な発言をしてしまいました。これはちょっとしたミスではなく、取り返しがつかない。各選挙区で民主党から逃げていった票は非常に多かったのだと思います。選挙前、恥ずかしながら、この選挙、民主党は負けないだろうと私は予想していました。そして両院で多数を握った連立政権が、政治主導を法律化し、日本の国家権力のあり方を大きく変えるきっかけになるに違いない、そんな風に思っていました。事実は全くそのようにはなりませんでしたが。

 

結果として、政権交代に期待した人々が抱いた希望、これが粉々に砕け散ってしまったのではないかと思わせるデータがあります。年間の自殺者の数です。九八年以来、三万人以上の人々が自ら命を絶つ異常な状態が続いていました。政権交代は、たとえ窮地に陥った人々の状況を一挙に改善することはできないかもしれませんが、少なくとも将来への希望には繋がる可能性がある。もともと自ら命を絶とうとする人をゼロにすることは不可能なのかもしれません。でも、何かを支えに踏みとどまることの出来る人も大勢いるはず。政権交代はその「何か」としての役割を果たせるのではないかと期待していたのです。絶望の国から希望の国へ。しかし、残念ながら、一年間の自殺者数は十三年連続で三万人を越え、前年と大差ない高い水準に達してしまったようです。民主党のせいではないと言うことも可能でしょう。でも、自殺者を大きく減らすことができなかったことを、政治家なら悔やんでも悔やみきれない痛恨事として受け止めて欲しい。

 

政府・民主党が大急ぎでやらなければならないことは、人々の「夢のかけら」を拾い集め、それに再び大きな形を与えることだと思います。マニフェストの「修正」とか「見直し」といわれることには、本来、そのような意味があるのだと考えてもらえないだろうか。辻褄合わせではなく、夢を再建すること。そうでなければ、この間の政治的変動を経て有権者が得たものは「徒労感」だけになってしまいます。一つ一つの「夢のかけら」は大切です。そして、かけらを集めた塊に命を吹き込むことはもっと大切だと思います。

 

 というわけで、今年も、私がメディアを通じて定期的に何かをお伝えすることができる機会は、昨年に続き、とりあえず週に二回です。関西テレビ「スーパーニュース・アンカー」月曜日担当のコメンテーター、文化放送「吉田照美ソコダイジナトコ」の火曜日担当コメンテーターとして出演しています。それから、朝日ニュースター「愛川欣也パックインジャーナル」には、何度か出演する可能性があります。

 以上、みなさまとテレビでお目に掛かり、ラジオでお耳に掛かるチャンスは今年も決して頻繁ではありませんが、お時間がありましたら是非お付き合い下さい。

 

                                  内田誠
                                                                                                                               


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