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3月23日の<uttiiの電子版ウォッチ>(無料版) [uttiiの電子版ウォッチ]

【20150323】

【はじめに】

二月が駆け足で過ぎ去っていくのは絶対的に日数が少ないからで、それは仕方がないとしても、なぜ、三月まで急ぎ足に過ぎ去ってしまうのだろう。それは二月の日数の少なさに気をとられているうちに10日ほどが既に終わってしまうからだとか、いやいや確定申告があるからだとか、はたまた、花粉症のせいだとか、これまた色々考えているうち、あっと言う間に四月の足音が近づいているのに気付いてハッとする。昨日は日比谷公園で巨大なデモがあり、1万4000人が「安倍政権NO」を叫び、国会を包囲した。そんな3月22日のuttiiの電子版ウォッチです。 

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メルマガID   :0001652387

メルマガタイトル:uttiiの電子版ウォッチ

対応機器    :PC・携帯向け

表示形式    :テキスト形式

発行周期    :毎週 月・火・水・木・金・土曜日

創刊日     :2015/4/1

登録料金    :324円/月(税込)

  お申し込みは、http://www.mag2.com/m/0001652387.html まで。 

 

【今日のラインナップ】

1.ついに《朝日》は反中姿勢鮮明に?

2.「衣の下に鎧(よろい)」とは言うけれど、「1面トップの下に世論誘導記事」。

3.公明党は、本当に「加憲」したかったのだろうか。

4.保育問題のウラに社会保障費削減の大なた。

【朝日】1面トップには驚かされた。大見出しで「中国、米で尖閣宣伝工作」。工作?これ、ホントに《朝日》?と、右肩に「朝日新聞」と書いてあるのを思わず目で確認してしまった。「世界新秩序米中を追う」という、もしかしたら今後連載される企画(連載表示も回数表示もないが)の一環のようで、この記事はワシントンで「機動特派員」(ガンダムみたいな特派員がいたのか!?)が書き、2面に続く大きな記事となっている。1面が導入になっていて、主に昨年11月、APEC首脳会談の場で日中会談が実現したときのことを取り上げている。外交担当者による事前のすりあわせの結果、日本が「尖閣を巡る領土問題の存在を認めた」という情報を、在米中国大使館の館員たちが日本に先駆けて、いっせいにアメリカのメディアやシンクタンクの関係者などに電話し、メディアの論調を自国に有利な内容に持って行くことに成功したという中身だ。2面に続くのは、その中国の宣伝広報戦略が非常に強力であり、CCTVと新華社の対外進出の実情や政府揚げての取り組み姿勢などが書かれている。

なんだか読んでいて情けなくなる。中国の力が次第に強くなり、ひたひたと忍び寄っているというような、脅威論につながる印象をばらまきつつ、言われていることの中身は、中国大使館は自国の利益に資するための当たり前の行動をただ真面目に実行し、対する日本の外交当局者は怠けに怠けた結果、「情報戦」に完全敗北したというだけのこと。わざわざ中国の行動を「工作」と呼んでスパイ活動視する話ではない。2面の方では中国の宣伝戦略の組織的計画的な側面を強調しているのだが、その点を強調すればするだけ、情報戦の勝敗は、中国の「物量」と「決意」とによって今後とも揺らがないということになり、いよいよ悲壮な話になっていく。《朝日》、こんなことをやっていては本当にダメだと思う。

【読売】の1面、トップ記事は、免震ゴムの性能偽装問題で、調査結果が「安全」と出ても、交換を要求する自治体が広がるだろうという、「ああ、なるほどね」と言わざるを得ない記事。現時点で「全面交換」を求めているところに加え「検討中」のところもあるのだが、どうやら記事の方向性を決めたのは、愛媛県知事が「安全性が確認されたとしても製品の交換を求めざるを得ない」と記者会見で発言したことだったようだ。ご丁寧に関連記事が二つも付いていて、3面の「スキャナー」では、東洋ゴム内部のチェック体制や大臣認定制度などシステムの問題が分析され、39面では住民の怒りがとりあげられている。この記事は、ダミーに見える。

《読売》1面記事の中心は、今朝に関して言えば、免震ゴム関連のトップ記事ではない。これはなかなか巧妙だ。トップ記事の下に、ちょっと隠れるようにしておかれている三段50行ほどの記事。「憲法改正「賛成」51%」の記事、こちらが最重要。

「集団的自衛権限定容認「評価」53%」との見出しも踊るこの記事、かなり「無理矢理」感が濃厚で、自社が行った「世論調査」の結果、「憲法を「改正する方がよい」と思う人は51%で、「改正しない方がよい」の46%を上回った」と言挙げしている。過半数の結果を出せたことが嬉しくてたまらないといった風情だ。さらに笑うほかないのは、集団的自衛権についての記述。「集団的自衛権を必要最小限の範囲で行使できるようにしたことを「評価する」は53%で、「評価しない」は45%」、「その後の国会の議論などを通じ、理解が進んでいると見られる」と記者が書いている点だ。おいおい、まさか、選択肢に「必要最小限の範囲で行使できるようにした」なんて「説明」を付けちゃったんじゃないだろうね?完全な「誘導尋問」ですよ、それ。「理解が進んでいない」人ほど、「賛成」と言ってしまう危険が高くなるではないか。と思って、詳報されているという9面を覗くとあるある、七つ目の質問の途中で「政府は、憲法解釈を見直して、国民の権利が根底からくつがえされる明白な危険がある場合に、集団的自衛権を必要最小限の範囲で使うことができると決めました。集団的自衛権を限定的に使えるようになったことを、評価しますか、評価しませんか。」と聞いている。これでは「必要なことを政府が決めたものであって、しかも限定的なのですよ、ですからあなたは賛成して良いんですよ」とニコニコしながら質問しているようなものではないか。こんなものを「世論調査」と呼ぶべきか、《読売》はまず自問自答すべきだろう。

調査結果の中で興味深い点が一つある。九条改憲について聞いた五問目。結果は「これまで通り解釈や運用で対応する」が40%、「改正」が35%、「厳密に守り、解釈や運用では対応しない」が20%とある。なあんだ、九条改憲に賛成が35%、反対が60%ということではないか。《読売》さんは、少なくとも見出しにはこのことをこそ書き記すべきだった。

【毎日】の1面トップは不思議な記事だ。「公明「環境権」の除外検討」「憲法改正で方針転換」として、いわゆる「加憲」の対象から、環境権を除外する検討に入ったと伝えている。書いているのは政治部の記者。ヨーロッパなどで憲法に「環境権」規定が置かれているために違憲訴訟が相次ぎ、開発や投資の妨げになっているとの認識から、「経済への支障」を懸念して外すことにしようという話。今後、公明党は加憲対象として、「地方自治の拡充」や「衆院解散時に大規模災害が起きた場合の対応を定めた緊急事態条項の創設」を訴える方針だという。また同党幹部は「加憲は本来、九条を想定している」とも言い、「自衛隊の存在と国際貢献」を第三項として書き加えることも提唱している。

もともと九条改憲を掲げる自民党と話を合わせるため、なおかつ平和の党を装う手段として出てきた「加憲」であり、その中身としての「環境権」だったと認識しているが、それをかなぐり捨てるにはよほどのことがあったのだろう。改憲を目指す自公の政治的連合に、「環境権」に強く反対する経済界の意向も重ね合わせていかなければならないとの切迫した事情が生じたものと想像する。今月中に始まる憲法審査会の議論で改憲項目の絞り込みに入らなければならず、統一地方選前に決着を付けておく必要と相俟って、このタイミングで情報が出てきたのだろう。狐と狸が化かし合いをしているの図。

 この記事には関連記事の指定がないのだが、実は2面に「本当は関連している記事」が置かれている。

 やはり政治部の記者が書いた「初の改憲項目に緊急事態条項を」という小さな記事、自民党憲法改正推進本部事務局長で首相補佐官でもある礒崎陽輔氏が地元大分の講演で語った内容だ。重要なことが二つ。一つは、震災などの際に「法律の範囲内で首相に権限を与え、対処すべき」としていること。また二つ目は、改憲について「最初は多くの国民の賛同が得られるところで」改正し、「その後、九条や改憲手続きなど、少し難しい問題もやりたい」としている点だ。公明党の「加憲対象の再検討」記事も、こうした自民党の改憲の動きと軌を一にするものと考えておくべきだ。つまり、自民党は既に「環境権」の「加憲」を想定していないこと、また中身がどうあれ、公明党の「加憲」は紛(まご)う事なき「トロイの木馬」であり、その先に九条改憲(おそらくは公明党が今提唱しているものとは全く違ったものになるだろう)が控えているということだ。

【東京】の1面トップは、自社による「保育緊急アンケート」の結果、今年四月に認可保育所に入れない子どもの数が、《東京》23区で2万1千人、申込者6万500余人のうち、35%に上ることが判明したとのニュース。3人に1人は入れないということだ。昨年調査に続くもので、率は3ポイント減ったが、人数は21人増えている。港区のように認可保育所整備に力を入れ、2年間に20カ所も新設したところがある一方で、江戸川区や渋谷区のように消極的なところもあり、そのようなところは「就学前人口は減り始めている」との現状認識があるようだ。結果、待機児童問題は全く改善されていないことになる。

 関連記事が27面にあり、こちらはルポ仕立てで、保育を巡るもう一つの問題、介護保険制度をモデルに国が導入した「子ども・子育て支援新制度」がやり玉に。入所申請を受け、自治体が「保育の必要性」を認定するシステムだが、申請する側からすれば、せっかく「認定」してもらっても、入所できる保証とはならない。かえって混乱を生んでいるとの指摘がある。

内閣府は「保育需要をつかみやすくなる効果もある」と弁解。しかし、保育の必要性を自治体が公式に認定しておきながら、入れるところがないというのでは、何のための制度か。何かが間違っているが、その間違いの根本のところには、社会保障に対する国の姿勢が大きく展開してきたことがある。

財政悪化の根源のように貶められてきた社会保障については、基本的に「どうやって削るか」が政権と政権になびく自治体に共通する関心のようで、保育所にせよ介護施設にせよ、その時点で供給できるサービスの枠内に、住民の希望を押し込めるため、様々なテクニックが弄されている。サービスが受けられないことをどうやって納得させるか、諦めさせるか、そのことしか考えていないのではないか。そのときに必ず出てくるのが「公平性」の議論だ。生活保護をイメージすれば分かりやすいと思うが、「公平性」の担保を至上命題に掲げてしまうと、必要な人に必要な保護がいっそう行き渡らなくなる。そのことを十二分に理解しながら、官僚と政治家は制度設計に手を加えている。その非情さを是非批判して欲しい。《東京》はこうした地道な記事を掲げることも得意だが、1面と27面の関連性をハッキリさせるには、叙上の論点が必要だったのではないか。できれば、社会保障政策の大転換という論点で、社説が欲しかったところだ。

  もう一点、昨日は、日比谷公園で、安倍政権が打ち出す様々な政策に抗議する大規模な集会とデモが行われた。「安倍政権NO」と銘打ち、普段は別々に行動している団体が共同で企画。参加者1万4000人(主催者発表)が国会を取り囲んだ。このニュースを《東京》は1面下に写真入りで伝え、《朝日》は社会面に載せたが、大相撲の輝の富士に関する大きな記事と写真の下に置くことで目立たないようにしたのかどうか、小さく二段で報じている。《読売》と《毎日》は一切伝えていない。


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