SSブログ
uttiiの電子版ウォッチ ブログトップ
- | 次の10件

来月創刊予定のメルマガについて(3) [uttiiの電子版ウォッチ]

昨日アップしたものに若干加筆訂正しました。(3月7日18時20分) 


 今日の「uttiiの電子版ウォッチ」、公開がちょっと遅れて午後になってしまいました。昨晩、ある大掛かりな芝居を見に行ったのですが、帰りが0時過ぎになってしまい、さすがに早起きが辛く…。まだまだ修行が足りませんな。とほほ。ご勘弁を。

では、本日の「uttiiの電子版ウォッチ」、3600字ほどと、ちょっと長いですがお時間がありましたら是非。


 【20150306のラインナップ】

1.18歳選挙権がもたらす新たな政治対立の予感

町並みがのっぺらぼうになっていく?

3.外国人は煮て食おうが焼いて食おうが……

4.高まる自衛隊の軍靴の音

1. 18歳選挙権がもたらす新たな政治対立の予感

【朝日】は「18歳投票 来夏参院選から」として、昨日提出された6党による公職選挙法改正案をトップに持ってきている。提出者が自民党から生活の党までの6党で、加わっていない社民党も賛成、共産党は検討中だというので、おそらく明確な反対者はいないのだろう。国民投票法に合わせて公職選挙法でも有権者の範囲を拡大するだけのことなので、各政党間の有利不利とは、少なくとも表向きには無関係だから、反対する理由もなさそうだ。

だが、2面「時時刻刻」には課題が綴られている。新たに有権者に組み込まれる若者たちの関心を高め、政治に反映させていくためには、たとえば「若者向けマニフェスト」のようなものを作り、ネットでの発信を強化していく必要がある。だが、来夏の選挙で若者の投票率が低ければ、政党は有権者のわずか3%分しかない若者の利益を意識しなくなる。結局、若者自身が投票しないと政治は変わらない……。こんな《朝日》の議論の仕方は、まるで堂々巡り。どうしたら良いのかさっぱり分からない。

「最大の論点」とされているのが、教育現場の「政治的中立性」だという。早くも「日教組対策」に動き出しているという自民党保守系の若手議員は、「日教組の教員に現代史や集団的自衛権などで中立的な指導ができるのか」とする。さすがは自民党。総理でもある安部総裁が国会で「日教組!日教組!」とやじを飛ばすような政党だけあって、ニッキョーソに対する憎しみと敵意は若手に至るまで浸透しているようだ。

本質的な問題は、何が「中立」なのかということだ。ただ、「中立性」を確保するためには、対立する多様な意見を可能な限り多く紹介し、しかも、一つの見方を「注入」するような態度を教師の側が採らないことが必要で、そのような教育的態度が実効的であるためには、生徒の側に「自分でものごとを考える」思考態度が身についていなければならない。そのためには中学時代までにそうした態度を身につけるべくカリキュラムを組み、そのためには文科省の姿勢が正される必要があり、ひいてはそのような政府を作っておかなければならずと切りが無い。だいたい教育に関する議論は、循環・連鎖する因果関係の、どこか自分に一番フィットするところを摘まみ出し、そこさえ強化すればあとはうまくいくと主張。「タメになることが言えた」ような気になり、しかし結局は何を言っているのか分からなくなってしまう、そんなことが多い。そして「中立という言葉ほど政治的な言葉はない」ことに気づいて、最後の最後は、剥き出しの政治的対立に還元されていく。

《朝日》の記事は、自民党がやろうとしている「日教組対策」について、日教組関係者の、「日教組を敵にして「教育改革」を進めようとしている」との反発や、自民党ベテラン議員の、「教育現場への政治介入と受け取られるのではないか」との心配を紹介している。安倍政権の暴走ぶりからして、それは本当に心配なことだ。

2.町並みがのっぺらぼうになっていく?

【読売】は、その「18歳選挙権法案提出」を1面左肩に、トップには「ファミマとユニー統合へ」と経済記事を置いた。下半分には、右に「中国改革路線を強調」と全人代が「成長目標7%に下げ」たとの記事を習近平、李克強両首脳の写真付きで、また左側には「駐韓米大使右ほお80針」という、異例なほどに生々しい「詳細情報」(!)付きの見出しで、記事を掲げる。1面の下半分は、中国と韓国で埋めた。

1面トップは、コンビニ3位のファミマとスーパー3位ユニー、3位同紙の統合話、同じ小売りでも別業態のコンビニとスーパーが経営統合して、セブン&アイ・ホールディングスに対抗する形か。小売業というくくりでは、国内4位のグループ誕生となるらしい。コンビニだけで見ると、ファミマとサンクスがそのまま一つになれば店舗数でセブンイレブンを凌ぐことになるという。「人口減や消費税率引き上げなどで、小売業界を取り巻く環境は厳しさを増している」ので、こうした生き残りをかけた統合の動きはまだまだ続くのだろう。

経済ニュースとしてはそれ以上でも以下でもないが、筆者に頭の中には、今でさえ同じような店で埋め尽くされていると感じる商業ゾーンの外観が、さらに単調なものへと変わっていくのではないかという恐怖心が沸いてきた。特に「チェーン化」の著しい街道沿いは、セブンイレブン、ローソン、ファミマなど数種類のコンビニと、吉野家、すき家などの牛丼勢、「かつや」、ココイチ、ロイヤルホストにデニーズ、「とんでん」、ジョナサンなどのファミレス、あとは回転寿司やラーメン、焼き肉、ステーキ、パスタのチェーン店などなど、せいぜい30種類くらいのチェーンで埋め尽くされているように感じる。一概には言えないが、個人のレストランはどうしても割高に感じられるので、客は足が遠のいてしまうし、店もどんどんつぶれていく。富裕層の特殊な消費動向は別として、外食費を削ろうという意識はかなり広がっていて、「消費のグローバル化」みたいな状況はよりハッキリしてくるような気がする。経営統合は必然なのかもしれないが、町がどんどん詰まらなくなっていくのは嫌だなあ。なんとか抵抗しなくては。

3.外国人は煮て食おうが焼いて食おうが……

 【毎日】は、《読売》が1面トップに掲げたファミマ・ユニー経営統合の話題を左肩に置き、トップは「被災3県外国人実習生4300人超」との独自記事。経営次元の話よりも、労働力不足、労働問題の方を重視した。法務省入管局に取材した成果のようだ。

4300という数字は、被災でいったんは激減した実習生が、震災時を200人余上回るまでになったということ。「人手不足が深刻化している復興事業の一端を担っている」と書くが、3面関連記事にあるように、被災3県で深刻化する人手不足を、「途上国支援に名を借りた労働力確保」と指弾され劣悪な労働条件や賃金未払いなどでつとに批判されてきた「外国人技能実習制度」によって辛うじて補っている実態。その危うさに加え、実習生の過半を占める中国人は、本国の生活水準と賃金が急激に上昇するにつれ、「何が何でも日本で稼ぐ気にならない」ということになり、いつまでも日本での労働に従事してくれそうにはないという新たな困難が生じている。

 日本は、国策として「単純労働に従事する外国人労働者」を認めてこなかったことになっている。ところが、安価で使い勝手の良い労働力が欲しいという産業界のホンネを満たすため、バブル期以来、巧妙な仕掛けを用意して、実質的な外国人労働者受け入れを図ってきた。常に一定数の「不法就労者」数をベースに維持しつつ、バブル期には日系人を使うために入管法を改定(「先祖の墓参りに来日するのに仕事に就けないのは気の毒だ」という奇妙な理屈だった)、日系人たちは、バブル期には自動車や家電などの輸出産業を担い、景気が落ち込んでからは、地方の農業にまで仕事の場を広げ、やがて仕事のない人々は帰国していった。そして技能実習生制度だ。「技術移転」の名目で始まったが、アジア諸国の労働者が日本で農業や畜産、水産加工の技術を習得することにどんな意味があったのだろう。単純明快、彼らは超低賃金で立場の著しく弱い外国人労働者であり、日本人が働きたがらない悪環境の職場で働いてくれるありがたい存在だった。以前のことだが、「外国人は煮て食おうが焼いて食おうが勝手だ」と言い放った入管当局者がいたという。もういい加減こんなことは止めにしなければならない。

4.高まる自衛隊の軍靴の音

【東京】は、集団的自衛権行使を可能にする法整備についてで、政府の素案が判明したとしている。「明確な基準なく法制化」「「存立事態」追加」との見出し。昨日の《朝日》1面トップと重なるが、論点は「どういう状況が存立危機事態に当たるのかについての基準は依然、曖昧」とした点だ。記事には、存立事態に可能となる武力行使の範囲について、国会で安倍総理が「敵国への大規模空爆や地上部隊投入は否定」したのに、今回の閣議決定、素案に明記されていないとも。また、この観点は前にも出されていたが、今回の法整備のなかで国民保護法の改正を行わないのは、「国民に被害が及ぶ恐れのない状況でも、集団的自衛権の行使を想定している」からだとしている。この指摘は衝撃的だ。筆者には、安倍政権がやろうとしていることの説きがたい矛盾を見る思いがした。被害が国民に及ぶ心配がないのに、日本国の存立が危機に瀕するというのはいったいどんな事態のことか。仮に、ホルムズ海峡封鎖などのことがあったとしても、その問題を軍事的に解決しようとしている日本の姿は、日本国憲法とは相容れない。まさしく、「国際紛争を解決する手段としての戦争」を可能にしようというのだから、明確な憲法違反と愚考する。

 《東京》は、木村草太首都大学東京准教授の「閣議決定を法制化した場合、政府が要件に当てはまると強弁し、日本への武力攻撃の明白な危険がないのに、違憲な空爆や地上軍派遣をしてしまう危険が出てくるだろう」とのコメントでダメを押している。了


nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

来月創刊予定のメルマガについて(2) [uttiiの電子版ウォッチ]

電子版ウォッチ(無料版)の二日目です。3月5日の分をお読みいただく前に………。

 私が、新聞の紙面批評を書こうと思い立ったきっかけの一つは、昨年夏の朝日新聞「従軍慰安婦記事撤回」事件です。ここでは撤回された記事そのものについては触れませんが、私には、その後の《朝日》に「元気がない」ことが非常に気懸かりでした。新聞紙面には、各社が持っている取材上の力量の違いはもちろん、新聞社としての歴史、政治勢力との距離、あるいは編集者の考え方の微妙な差、会社の「勢い」のようなものも確実に反映していると思われます。そうしたものを可能な限り読み取って、その反映の結果として伝わる情報のなかに、メディアの本義に悖るようなものがあれば、それは厳しく指摘し、あるいは逆のケースでは励ますなどのことをしなければならないのではないか。自分がそんな大役に相応しいなどとは思いませんが、とりあえず、何かやってみる価値はあるだろうと考えたのです。

 もう一つ。私の「本願地」であるテレビ業界のことがあります。民放各局はともかく、NHKの振る舞いのあまりの酷さに、怒り心頭の思いから抜けだすことができませんでした。会長が暴言を吐く、キャスターが政権寄りのコメントを連発する、ゲストの発言をアナウンサーが制止するなども許しがたいことですが、私が一番腹に据えかねる思いをしたのは、取材と編集における不適切な偏りです。ニュースでは通常考えられないサイズで、靖国訪問直後の安倍総理のインタビュー映像を切り取る、「各界の反応」と称して6人連続で自民党議員のインタビューを流すなど、一つは「映像の言語」を悪用し、もう一つは暴力的な編集を駆使して、政権のプロパガンダに相務めている(この話、「デモくらジオ」では何回かしゃべりましたので、リスナーの方は既にお聞き及びかと思います)。これは放っておいてはまずいと思いました。その後、心あるNHK内部の方に私の考えを直接伝えるなどの機会もありましたが、このメディア状況に対しては、やはり具体的な指摘をその都度行い、大勢のみなさんに直接お伝えしていかなければならないと思いました。

というわけで、まだ「電子版ウォッチ」ほどにも内容・形式を詰め切れていませんが、7月をメドに、テレビのニュースを対象とした「ウォッチ」を始めたいと考えています。どのテレビのどのニュース番組でこんなことを言っていた、という情報は、既にツイッターとYouTubeの世界で事実上共有されるようになっていますが、映像文化の次元で、テレビ情報のリテラシーを高めていく努力は必要ではないかと考えています。これまた私には荷が重いことなのですが、やはり何か始めなければと考えた次第です。またその節には具体的にお知らせしますので、よろしくお願いいたします。

では、今日の「uttiiの電子版ウォッチ」、目を通してみてください。 

【20150305】

イチメン・トップス

 【朝日】は、1面トップで安保法制に関する最新かつまとめ的な記事を置いている。《朝日》らしい、冷静な筆致。「「存立事態」新設提案へ」という見出しのもとに、「存立事態」を公明党との与党協議にかける方針を政府が固めたとある。2月13日以来の与党協議で提案された「グレーゾーン事態」「邦人救出、船舶検査、周辺事態法改正、恒久法制定、PKO協力法改正などの国際貢献」、そして今回の「存立事態新設」と、一連の提案が表にまとめられており、公明党が何を呑まされてきたか、またこれから何を呑まされるのかが明瞭に示されている。

3面の関連記事は、こうした手続きのもとに進められる安全保障法制の大「改革」が、「乱立
五つの「事態」」という傑作な見出しのもとに整理されている。日本への攻撃を意味する「武力攻撃事態」と「武力攻撃予測事態」、それに「緊急対処事態」に加え、他国への攻撃などを意味する新設の「存立事態」と「重要影響事態」が並べられている。なにやら今度のテストに出そうな案配だが、実相は、世界中どこであれ、自衛隊が集団的自衛権の名の下に米国の戦争に駆り出されて武力を行使し、あるいは後方支援の名の下に、軍事作戦に協力させられること、これが可能となるに他ならないと愚考する。「乱立」のあとに「やりたい放題」が続いているのだが、そこを書かないのが「上品」な《朝日》流。もう一歩踏み込んで、ストレートに書けば良いのに(独り言)。

 この1面と3面の関係は、《朝日》の編集方針が、良くも悪くもオーソドックスに行われていることを示していると思う。1面では、取材に基づいて判明した、今日これから起こることが確実な出来事について、警鐘をならす意味合いを含めて正確に伝えているし、3面では一連の事態に困惑する読者に対して、分析とまとめ的な視点を提供していて有益だ。だが、1面で論点を明確に適示する東京新聞のような行き方なら、トップに「乱立する五つの「事態」」と書く方法もあるのではないか。与党協議のニュースだが、内容は「自衛権行使の名の下に、歯止めなき武力行使の危険」ということなのだから。


 【読売】は、なんと春闘のニュースがトップ。「車ベア 前年越え」として、景気のよい話を掲げている。当然と言えば当然だが、《読売》の話は大手に限られていて、紹介されているのは、円安の恩恵を被り、消費税増税でも巨額の戻し税で潤っている可能性の高い自動車産業のケースのみだ。それでも、労組が6000円台の要求で足並みをそろえるのに対して、4000~5000円が攻防水準だと会社側は言っているとも。

 気になる記載は、「デフレ脱却に向けた政府の賃上げ要請も踏まえ」としているあたりだ。《読売》には、政権の安定装置としての役割が肌に染みついているのだろう。こうした細かい叙述の「工夫」が、賃上げは安倍政権のおかげ、という意味合いを記事全面に染み渡らせる、そんな効果を生んでいるように思える。

 関連記事が10面にあるというので見てみたが、これは関連でも何でもない。自動車労組の統一交渉の話で、要は、1面同様、自動車業界だけの話なのだ。記事末尾には、わずかに中小企業のことも出てくる。自動車総連の幹部が「従業員が299人以下の企業は収益状況が悪い企業もある。」と語り、また記者も「中小企業側も大手との賃金格差が広がりすぎれば、人材確保が難しくなる」などと書いている。トリクルダウン幻想の延命を図るのも大変なようだ。


 【毎日】は、今日国会に提出される、18歳選挙権のニュース。昨年6月の改正国民投票法で有権者が「18歳以上」となったことに対応し、ようやく公選法の改正も行われようとしている。早ければ来年夏の参議院選挙から実施されるが、今国会での成立がまたしても怪しくなってきていて、「政治とカネ」問題で国会審議が紛糾すれば、またしても廃案の憂き目に遭うかもしれないというタッチの記事になっている。

この記事には関連記事がない。別になくてもよいとは思うのだが、なぜこの記事が1面トップに来たのか。熟慮の末、万策尽きてここに至ったのなら仕方がないが、「このへんにしておこう」という妥協の結果なのだとしたらちょっと情けない。他に1面候補はたくさんあって、たとえば9面には、「イスラム国」の処刑役で有名になってしまったジハーディー・ジョンがなぜ過激派になってしまったかについての非常に興味深い独自記事がある。いくらなんでもそんな人物の記事を1面トップに載せられないというなら、2面の「もんじゅ運転禁止命令 年内の解除困難に」でも良かったのではないか。これなら、核燃サイクルの話、日本原電、あるいは東電の話を含めて、山のように関連記事もありそうだ。読者にどんな価値を届けたら良いのか、その「発見」にもっと努力すべきではないかと愚考する。

 

【東京】は、シェアハウスに暮らすひとり親家庭に対する児童扶養手当の支給が再開されるという、東京都国立市のケースを1面トップに取り上げる。もともと東京新聞が昨年末から独走して報じているテーマで、《朝日》は今年になって後追い。同じシェアハウスに男性がいるというだけで事実婚と見なし、ひとり親家庭を対象とした児童扶養手当を打ち切るという、なんとも杓子定規なひどい行政行為が行われていた。議会で問題となり、厚労省も先月になって「適正化」の指示を出すにおよび、支給が再開されることになった。とにかく、社会保障関係については、油断をするとすぐに支給を減らしたり無くしたり、あるいはそもそも支給しないなどのことが起こってしまう。典型的なのは生活保護で、まるで受給者が不当利得を得ているかのような印象が政治家によるバッシングなどとそれを真に受けたメディアの報道姿勢等によって醸成されてしまった。そうした世論の気分を背景に、末端行政による「水際作戦」がはびこって申請希望者を排除する、あるいは、生活に困窮しているのに申請を諦めてしまう人たちが続出したりしているのが現状だ。国立市のケースは、一つの事例に過ぎないかもしれないが、こうした事実を発掘して大きな問題を指摘していくのは重要なことだと思う。了 


nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

来月創刊予定のメルマガについて [uttiiの電子版ウォッチ]

みなさま、ご無沙汰しております。

このところはこのブログよりも毎週金曜夜の「ウッチーの「デモくらジオ」」でお目に掛かることが多い内田です。「デモくらジオ」は、まもなく通算100回目の放送を迎えます(3月13日)。いよいよがんばって、いただいたメールのご紹介などもしていきますので、引き続きご贔屓に!     『デモクラTV』 dmvr.tv/   内田へのメール宛先は radio@dmcr.tv 

さて、4月から、新聞各紙を比較しながら批評する、新しいメルマガを始める予定です。

  タイトルは、「uttiiの電子版ウォッチ」

 朝日、読売、毎日、東京の4紙、その朝刊1面を中心に、私の紙面批評をお届けすることに特化したメルマガです。それぞれの電子版(朝5時半から6時頃には更新されています)をもとに、どんな記事を1面、あるいは1面トップに選んだか、全体に、1面の紙面構成はどうなっているか、2面以降の関連記事はどうなっているか、などに留意しながら、私自身の考えに従って評価をしていきます。

堅~く 言えば、「情報リテラシー指向の新聞紙面批評」。

柔らか~く言えば、「新聞さんのエエとこもアカンとこも、全部、バラしまっせ」。

お届けは、月曜日から金曜まで、毎日の午前中(できるだけ早い時間帯)にその日の紙面について、また、土曜か日曜には「一週間のまとめ」的なものを、と考えています。 

なかなか4紙を購読して読み比べるのは、お仕事や学業に忙しいみなさんには大変なこと。 私も「4紙隅々まで熟読」というわけにはいきませんが、是非、何かのご参考にしていただければと思います。もとより、「公正中立な人間」ではない(笑)ので、その辺についてもご了承、ご寛恕のほどを。新聞についての私の考え方は、毎日の批評を通して、あるいは週末版のなかでお伝えしていきたいと思います。

ご購読いただきますと、PCかスマホに、毎日のように2000字から3000字程度のものが届きますので、うざったいと思われる向きもあるでしょうが、関心をお持ちの新聞のところだけでも見ていただければありがたいと思っています。 

料金は未定ですが、できるだけ大勢の方に見ていただけると嬉しいので、格安に、と考えてます。 

以下に、サンプルをご覧ください。内容にせよ形式にせよ、まだ完全にはフィックスしておりませんが、もし本日の分をお届けするとしたら、こんな感じになるという意味でのサンプルです。ちょっと読んでみてくださいませ。

*なお、明日以降メルマガ発刊までの間、このブログ上で「uttiiの電子版ウォッチ」(無料版)をできるだけ掲載していきたいと思いますので、お読みいただければ幸いです。 



【20150304】

イチメン

【朝日】は「首相含め6閣僚側に寄付 補助金交付企業から」と政治とカネ問題の新展開をトップに。その下には「20年前の採決欠席 安部談話へ続く」と「戦後70年談話」に向かう安部晋三氏の因縁話(4、5面)に誘導するかのような短い記事。左肩には、その安倍氏が執念を燃やす安保法制についての与党協議で、公明党が「自衛隊派遣に3原則要求」との記事。その真下には、「戦艦武蔵、発見か」と、米マイクロソフト共同創業者のアレン氏が発見したとされる戦艦武蔵らしき映像のカラー写真。70年前に終わった戦争の「証人」が姿を現した。1面の紙面構成としては、縦に2系列でシンクロするうえ、左右も響き合っている。今朝の朝日1面は、珍しく表現力が豊か。

2面の「時時刻刻」で、補助金企業からの献金問題について、政治資金規正法が四つの例外を設けていることを詳報している。「政治家が知らなかった場合」「補助金交付先を決めたのが国でない場合」「寄付する団体が別の団体である場合」「研究や調査など利益を伴わない補助金の場合」。いずれも、国の補助金が政治家に環流するのを防ごうとする法の主旨を蔑(ないがし)ろにし、抜け道を作ってやるものではないか。上脇博之神戸学院大学教授が法改正の必要性を説くコメントを寄せているが、法改正はこれら四つの抜け道を塞ぐことだけでなく、そもそも政治家への企業・団体献金を一切禁止するものでなければならないと愚考する。

 

【讀賣】は、昨日に続いて群馬大学病院の問題の続報が1面トップ。8件の腹腔鏡手術死亡事例の全てで過失があったとする昨日の報告書に加えて、開腹手術が選択された例でも2009年度以降10人の死亡が明らかになっているとする。しかし、とんでもない医師がいたものだ。わずか5年の間に一人の外科医師が18人の死亡に関わっていることになり、厚労省の審議会が本格的な調査に乗り出す。なぜ、こんな医師が野放しになっていたのか。

1面中央には、集団的自衛権で、「存立危機自体」時に防衛出動の既存の規定を適用する方向で調整しているとの記事。これは《読売》独自記事の可能性有だが、またぞろ、「自衛隊の国軍化」の後押しかと思ったけれども、そうではないようだ。集団的自衛権行使のケースを個別的自衛権と別立てで用意したかった政府に対して、公明党は、できるだけ同じ概念の元に包摂したいとの意向が強く、集団的自衛権を個別的自衛権発動の一類型のように扱いたいということなのではないか。今回の政府の意向は、そうした公明党の意向に形式的に妥協する姿勢を見せたものと愚考する。記事はハッキリとは書いてくれていないが、そのように推測できる。

左肩には「復興への選択」の4回目。除染で出た汚染土の中間貯蔵地確保が困難との内容。関連記事が三つ。昨日同様、得意技である医療関連の独自記事を押し立てたかったのだろうが、今日の記事に独自性はない。

今朝の《読売》紙面、最大の特徴は、補助金企業からの献金問題を「1面トップに載せていないこと」。群馬大学病院の事件も、既にスクープではなく、他紙も大きく、ただし社会面で扱っているテーマ。この意味では、《読売》はやはり安倍政権の擁護を編集方針としているのではないかとの疑念が強まるばかりだ。たとえどんな政治勢力が権力を担っていても、政権に対して批判的であるのがメディアの重大な使命だと筆者は考える。《読売》の自民党政権擁護姿勢は今に始まったことではないが、新聞自体が一種の危機を迎えている現在、これは自殺行為にも見える。

 

【毎日】は、「イスラム国」(IS)の元戦闘員による生々しい証言を大きくトップに載せている。トルコ南東部で記者がインタビューしている。残酷な処刑が戦闘員の組織への忠誠を試す「踏み絵」になっている様子がよく分かる好記事。2面に関連記事がある。左側には、「入院食など負担増」との見出しで、閣議決定された医療改革法案に関する記事と、安部晋三氏が代表を務める自民党支部に対する補助金企業からの献金が、4社で194万円に及ぶと独自の情報を伝えている。3面の「クローズアップ」に関連記事。

3面の記事では、インタビューは三人の元戦闘員になされていることが明かされる。地元住民がISに加わる理由は、内戦の長期化で「有利な方に付きたい」、金を稼ぎたい、あるいは「イスラム国家の建設」の理想に共感して、など。だが、同じイスラム教徒である市民を処刑し、シリア軍の捕虜を皆殺しにしたりするのを見て、疑問を抱く人も増えているようだ。だが、いったん戦闘員になれば逃亡は非常に難しく、とくに外国人は最初にパスポートを燃やすよう指示されるので、困難だという。

 

【東京】は、戦争体験を伝える「伝言 あの日から70年」の大きな記事を1面トップに置く珍しい構成。当時は防空法によって「逃げるな、火を消せ」と定められており、犠牲が拡大した様子を指摘している。まもなく東京大空襲から70年となる。もちろん左肩には、補助金企業からの献金問題が「与野党に拡大」と、一覧表を添えて報じている。安部晋三、林芳正、甘利明、上川陽子、望月義夫、西川公也(辞任済み)、そして民主党代表の岡田克也の6氏。

2面の関連記事では、日大の岩渕教授が規正法の抜け道を塞げとコメントしている。安倍政権で問題が相次いでいるのは「一強多弱の状況で、企業は与党頼みになり、政治家も企業献金に依存していることがベースにある」とする。結局は「政治家のモラルの問題だ」ということになるが、その指摘だけでは不十分だろう。《朝日》のところでも書いたが、なんとしても、企業・団体による政治献金を根絶するための法改正を行うべきだと愚考する。

岩渕教授の記事の下には、塩谷立議員が新たに補助金企業から寄付を受けていたとの記事と、下村文科大臣が不適切献金を返金したとの記事、さらに望月環境大臣は「違法の疑いがないので返金しない」と述べたとの記事、上川陽子法務大臣は「返金」、そして小沢一郎氏も「返金を指示した」と報じられている。凄いことになっている。了。

 


nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感
- | 次の10件 uttiiの電子版ウォッチ ブログトップ
メルマガ登録・解除
 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。