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上海の観光地、「豫園」 [uttiiの電子版ウォッチ]

上海への旅”、4回目の今日は、「豫園」のご案内です。

明代に造られた広壮なお庭が、上海の重要な観光資源と言いますか、観光スポットになっています。それが「豫園」(よえん)。450年ほど前、ある役人の大物が自分の父親のため、18年掛けて造園したけれど、完成した時には父親は既に亡くなっていたという逸話が、Wikipediaに載っていました。

広さ2万平米。当時はその倍の広さがあり、戦後に改修された際に削られた周囲の部分は、「豫園商域」となり、要するにお店が建ち並ぶ、お土産屋さんエリアになりました。一瞬、「ここが豫園?」と思ってしまうような、特徴的な屋根や庇で統一的にデザインされた、ショッピングモールみたいな場所です。訪問客はまず、この商域を通って「豫園」に辿り着き、帰りも商域を通って地下鉄の駅まで戻る、そんな仕掛けです。賢いですね。そうそう、お土産屋さんも繁盛していますが、やたらと印鑑の店が多く、喫茶店や中華料理の店なんかもあって、「南翔小籠包」の本家を名乗る有名店には、大行列ができていました。食べたかったけれど、断念…。

商域の混雑ぶりは半端ではありませんでした。もう、押すな押すなといった感じで、中国の国内各地からやってきているらしい「お上りさん」的な観光客。香港、マカオ、台湾からの団体客。そして日本人、韓国人、欧米人。早い話、世界中から人が押し寄せている。その人たちの大半がスマホをもち、あちこち止まっては記念写真を撮りまくっているわけですから、そこここにラッシュアワー的な状況が生じています。

ようやく豫園の入り口に辿り着き、入場料を払って中に入ると、急にヒンヤリとした空気が支配する空間に。人も決して少なくはないのですが、外に比べれば別天地のような静謐さです。壁の注意書きには「QUIET PLEASE」(お静かに)と。

各地から集めてきたとおぼしき奇岩、ハリエンジュや柳などの樹木。創建当時からあったらしい樹齢400年の大銀杏。錦鯉が泳ぐ池と、池の周りを経巡るように造られた通路、中国独特の屋根を持つ大きな楼閣、龍を表現した瓦…。先々に独立した小楼閣があり、休み処として一息つけば、そこにはまた、別の景観が広がっている。そして、中国式の白い壁で仕切られた通路を抜けると、繰り返し、新しい世界に遭遇するような新鮮な感覚を覚えました。いやはや、贅を尽くした、見事なお庭。思わず、「あーあ、わが家にもこんな庭が欲しいなあ」と口に出してしまいました。あり得ないけど。はは。

みなさんも上海にお出かけの節は、是非、訪れてみてください。非常によく作り込まれた世界を堪能することができます。ただし、くれぐれも、かっぱらいとスリにはご用心を。

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以上は、11月18日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分をもとに、加筆したものです。本体は、土曜・日曜・祭日と新聞休刊日の翌日を除き、毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガです。【ショートバージョン】は午前中に、【フルバージョン】は当日中に配信しています。続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料ですが格安のメルマガ(一ヶ月324円)、しかも初月分は無料です。 

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 *左は「豫園商域」の代表的な建物
 
*下は「豫園」の美しい池 
 
 
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上海の地下鉄 [uttiiの電子版ウォッチ]

3回目となりました「上海話」。前回の上海蟹の話は徒(いたずら)に皆さまの食欲を刺激し、かつ私への反感を助長し、顰蹙を買う結果となりましたので、今日は、あんまり羨ましくない話にしておきます。はは。

上海市内の交通手段は、何と言っても地下鉄が便利です。

路線は全部で10本とか11本とか。乗ってみたところでは10本なのですが、資料を見るともっとあったりして、よく分からない。よく分からないものの、とにかく縦横無尽に走っていることだけは確か。総延長が東京を抜いたのは少々前の話で、今はロンドンも抜いて世界一らしいのです。

地下鉄は地下鉄。東京のメトロを含め、世界中の地下鉄には似たところがあるのでしょう。それでも、そこは中国。中国社会の“縮図”でもあるということで。

見事だと思ったのは、あらゆる駅でホームドアが設置されていたことです。後発の利点と言えばそれまでですが、日本は是が非でも見倣わなければいけませんね。今のところ完全に負けています。また、改札はすべからく「非接触」の自動です。カードをかざせば前方の緑のライトが小さく光り、身体で押せば金属のバーが回転して通り抜けられる構造。ところが、日本でなら鳴るはずの「ピッ」という音がしないので、ちょっと不安になる。しかも、中には緑色のライトさえないものがあって、一か八か「エイッ」とばかりに通過せざるを得ないケースも。まあ、この辺りは“流儀”の違いなので、慣れてしまえばそれまで。

明らかに日本と違う光景を眼にしました。

かなり混雑した車内を、「物乞い」をしながら通り抜ける方がおられるのです。事故か病気か、左足を付け根付近から失っている男性が松葉杖をつきながら、揺れる車内を前から後ろに移動してくる。彼が紙コップのようなものを差し出すと、かなりの確率でお金を入れる人がありました。ついでに言うと、「物乞い」は駅のコンコースにも、あるいは観光スポットでも眼にしました。身体に大きな傷を負った方たちや、お年寄りたちです。
 
働くことができない人たちの生活を、誰の自尊心をも犠牲とせずに安定させるだけの力を、この社会が持っていないはずはないと思うのですが、そのようにはなっていないようでした。以上は、飽くまで見たままの感想ですから、この話はこれくらいで。

さて、地下鉄。

乗換駅に着くと、緊張感が高まります。降りる人のことなどお構いなしに、大勢の人が雪崩れ込んでくる場合があるのです。力と力の勝負。誰も遠慮しようとはしません。思わず、「これは、いかんだろう!」と口に出してしまいました。身体の小さな人、女性、子どもに対する配慮などは一切ありません。北京五輪の頃にマナー向上運動があったと記憶していますが、効果はさほど持続しなかったものと見えます。

それでも今回、タクシーは一切使わず、移動は全て地下鉄ということになりました。地下鉄網の存在は、上海という巨大都市が持つ経済力の反映として、あるいはこの先の繁栄を支える道具立てとして、様々な問題を抱えつつも、どんどん増殖していくのでしょう。中国経済の行く末には大きな不安が待ち受けているのかもしれませんが、そのあたりは専門の中国ウォッチャーにお任せするとして…。上海訪問の節は、是非、地下鉄に乗ってみてください。ということで、11月17日の<uttiiの電子版ウォッチ>と参りましょう。

*次回の「上海話」は、伝統的な観光スポットの話…。
 
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以上は、11月17日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分をもとに、加筆したものです。本体は、土曜・日曜・祭日と新聞休刊日の翌日を除き、毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガです。【ショートバージョン】は午前中に、【フルバージョン】は当日中に配信しています。続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料ですが格安のメルマガ(一ヶ月324円)、しかも初月分は無料です。 

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 *2号線です。徐涇東駅と浦東国際空港駅を結ぶ路線で、「東西線」と言われたりするようです。駅には必ず「ホームドア」が設置されています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 *多くの乗客がスマホに夢中なのは日本と変わりがないですね。立っている人まで…。

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上海蟹を食べました! [uttiiの電子版ウォッチ]

上海の話パート2。

この時期の上海といえば、上海蟹…なんだそうでして。もちろん、ちゃんとと頂きました!当地では10月は雄ガニ、11月は雌ガニを食べるのが常道だとか。今回は、目出度く卵付きの雌を食することに。伺ったのは、店名に「蟹」と付いた、分かりやすいお店でした。そちらで上海蟹のコースをトライ。ネットで予約を入れたので、格安とのことでした。

お店の入り口すぐのところに、厨房の一部が見えるようになった一角がありました。中年とおぼしき白衣の女性が2人並んで座り、蟹の身を丁寧に殻から外し、解す作業を一心不乱に続けています。隣には、ワラのようなもので丁寧に縛られた上海蟹が並んでいます。「蟹を食わせるぞ!」という、お店側の宣言のようなものですかね。客としても「よし、蟹を食うぞ!」と、否が応でも雰囲気が盛り上がります。しかし、この地道な“作業”がもたらす本当の幸せに、私たちは、まだ全く気付いていませんでした。そして、案内されたテーブルへ。

決して、過剰な期待はすまい…と思っていたのです。「名物に美味いものなし」と言うではないか。ほどほどに期待し、ほどほどに満足して帰ればよいのだ。

ところが、本当に美味かった。

蟹のコースだというので、一匹の蟹を薄めに薄めて色々な料理に化けさせ、「蟹を食べたことにする」的なものを想像していたのですが、とんでもない!1人丸ごと一匹ずつの蒸した蟹が出てくるのは当然としても、それ以外の様々な料理に大量の蟹肉と蟹味噌、卵が使われているのです。もう一度言いますが、「大量に」使われている。そして、出てくるものが全て、本当に美味い。

一番感動したのは、蟹の甲羅に蟹肉を詰めて揚げたものでした。そうです、“蟹の甲羅揚げ”。甲羅は入れ物として使われているだけで、中身は、あの、入り口付近で2人の女性が殻から取り出していた蟹の身だったのです。しかも、やっぱり大量に詰まっている。この香り。舌触り。なんと美味な。ああ、幸せ。

上海蟹の美味さは異次元のものです。ですが、その美味さを演出するはずのウェイトレスなど、従業員(服務員)の皆さんの表情はどこまでも硬く、私たちのテーブルを担当してくれた女性などは、むしろ“看守”とお呼びしたくなるほどでした。その氷のような厳しい表情を終始崩さず、黙々と業務を遂行しておられました。なんとかならんかなあ…と、少し渋みの加わった上海蟹のお話はこれくらいにして、11月16日の<uttiiの電子版ウォッチ>と参りましょう。

*次回の“上海話”は「地下鉄」の予定。お楽しみに。
 
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以上は、11月16日に配信した<uttiiの電子版ウォッチ>の冒頭部分をもとに、加筆したものです。本体は、土曜・日曜・祭日と新聞休刊日の翌日を除き、毎日配信している新聞4紙を読み解くメルマガです。【ショートバージョン】は午前中に、【フルバージョン】は当日中に配信しています。続きは<uttiiの電子版ウォッチ>でどうぞ。有料ですが格安のメルマガ(一ヶ月324円)、しかも初月分は無料です。 

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 *こちらは湖南料理店のスッポン鍋。この唐辛子は伊達に赤くない。ビールを飲んで“消火”しながらでないと大変なことに…。でも、本当に美味かった。

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