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薬害C型肝炎問題は、福田内閣の命取りに? [jam THE JAM]

  久しぶりに、ジャムザワールドのご報告です。年内もこの日を入れてあと二回となりました木曜ジャム。
  冒頭、私が独断で選んだ(!)今年一番の映画、「バレエ・リュス~踊る歓び、生きる歓び」を簡単にご紹介。既に先週土曜日15日から公開中の映画です。バレエが大嫌いな人は別として、多くの人が大いに楽しめるドキュメンタリー作品だと思います。二十世紀のバレエの歴史を紡ぎだしたロシアバレエ団について、驚くべきことに当時の映像がたくさん出てきます。20歳そこそこだった踊り手の多くが今も存命で、90歳を過ぎてプロとして舞台に立っている人までいる。その彼ら彼女らが同窓会よろしく数十年ぶりに集まった模様も含め、往事を語る老ダンサーたちの表情のなんと豊かなことか。これ以上は紹介するのも野暮でしょうからやめておきますが、一つだけ付け加えておきますと、私がこの映画を観たのは試写会だったのですが、上映中、何回も試写会場が明るい笑いに包まれたのです。こういうところに参加する人たちは映画のプロが多いわけで、普通は「プロとして評価を下す」ために来ている、ってことですよね。斜めに見ているというか。だから、面白くても笑わない。感情を外に出さずに観ている人が多い。その試写会が、いわば「湧いた」んですね。私には初めての経験でした。それくらい、巧まざるユーモアというか、豊かな人生を見せられて、楽しい気持ちになったのだと思います。意外に公開スケジュールはタイトですから、ご覧になりたい方はお早めに。

「バレエ・リュス~踊る歓び、生きる歓び」公式サイト

  さて、この日のニュースは何と言っても、薬害C型肝炎訴訟和解案に対する政府の和解修正案(被害者一律救済を否定)を原告が拒否したこと。ニュース解説では、政局への影響という観点から、福田総理が支持率を回復する重要なきっかけを失ってしまったのではないかと論じました。既に何度かご紹介している論点ですが、かつてハンセン病元患者による違憲訴訟について、就任して間もなかった当時の小泉総理が「控訴断念」を決断し、政治的な求心力を著しく強める結果となったことを想起させる事態です。ただし、今回は正反対の結果になりそうですね。今日の朝日新聞朝刊が「福田内閣支持率急落」と報じているように、年金(記録)問題と併せ、薬害肝炎訴訟問題の取り扱い方は、内閣の命運を握っていると思われます。カッティングエッジで電話をつないだ原告弁護団長、鈴木利廣弁護士には、「私たちはまだ和解を諦めていない」と頼もしい話を聞かせていただきました。原告たちは肝炎に感染させられ、病とも闘っているわけですから、訴訟に加わっていない被害者を含め、一刻も早く必要な治療を十分に受けていただくためにも、望ましい解決は「和解」以外にあり得ません。

  15MINUTESは、世界的なチーズの品不足と値上がり、その生産基盤の弱体化というようなお話しでした。「韓国で次々とピザ屋が潰れている」という導入はいささかトリッキーでしたが、中国とインドの需要急拡大にオーストラリアの干魃が加わって、高値と品不足が深刻になったということなのです。ならば国産を食べようと言っても、そもそも飼料は輸入に頼っている状況ではそれもままならない。チーズが食べられなくなること自体大問題ですが、どうやらチーズだけの問題にとどまらない。畜産・酪農といった重要な産業の行く末はキチンと見据えていく必要があります。スタジオにお招きしたのは、「チーズのカリスマ」として知られる本間るみ子さん(株式会社フェルミエ代表取締役社長)でした。

       株式会社フェルミエ

  来週は年内最後の木曜バージョン。特集は、「北朝鮮による日本人拉致問題」となります。ご期待を。

 



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回転寿司は好きですか? [jam THE JAM]

  3月15日のジャムザワールド。冒頭にコメントしたニュースは、「北陸電力、臨界事故を隠していた」「西部球団、早稲田大の選手に高校時代から裏金給与」「六カ国協議再開で経済・エネルギー協力作業部会」の三本。カッティングエッジは、小児科医師の自殺に労災を認めた東京地裁判決を受けて、亡くなった医師の奥さんに電話で直接聞きました。そして15MINUTES、「回転寿司激安ネタのカラクリ」を出版されたジャーナリスト、吾妻博勝さんをスタジオにお呼びして、回転寿司業界のお話を聞きました。

  回転寿司のネタには相当色々な問題がありそうです。使っている魚の名前を偽ったり巧妙に隠したりする「偽装魚・代用魚」問題。搬送中に死んだ活魚を二束三文で買いたたいて寿司ネタに転用する類。着色や鮮度保持のための薬剤使用に伴う安全性の問題などなど。知ってしまったら食欲が失せてしまいかねない実態を、行政は見て見ぬ振りというべきか、全く野放しの状態という。

  もちろん、回転寿司業界が担ってきた役割にも注目が必要でしょう。一般の寿司店が値段の点でも「格式」の点でも敷居が高くなりすぎた結果、元来は大衆的な食べ物であったはずの寿司が、高級(超高級?)和食に変貌してしまい、逆に消費者から敬遠されるような時代が長くありましたね。寿司は食べたい、だけど店には行きたくないし、そもそも行けない。そのギャップを埋める業態の一つが「持ち帰り寿司」であり、「立ち食い寿司」であり、「回転寿司」でした。そして多店舗展開で規模の利益さえ追求する回転寿司は、アッという間に過当競争の段階に突入。飽くなきコストカットのなかで、店のなかにはネタの偽装を行うところが出てきたということなのでしょう。

   *因みに、このなかで私が一番満足できるのは、時々行く「立ち食い寿司」の店です。あまり高いネタは最初から置かず、マグロや金目鯛のヅケを売り物にするようなタイプの店です。

  吾妻さんの著書はこれまで明かされることのなかった回転寿司のネタの問題を暴いた点で、衝撃をもって受け止められているようです。マグロのトロに化けるアカマンボウ、穴子と思ったらウミヘビだった、などなど。しかし、読者の反応は一様ではないらしい。「二度と回転寿司には行かない」という反応ばかりではないようなのです。確かに、回転寿司と一口に言っても様々であり、なかには良心的な店も多い。要は、客が店を選べるよう、少なくとも表示の公正さについての規制をキチンと行う必要がある。不明朗な流通に頼り続ける店が、やがて淘汰されていくようになれば一番良いはず。問題は、偽装に対して行政がキチンと規制を行うことに尽きるように思います。ともあれ、ご一読を。

回転寿司「激安ネタ」のカラクリ

回転寿司「激安ネタ」のカラクリ

  • 作者: 吾妻 博勝
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/01/12
  • メディア: ムック

 ところで、吾妻さんは、偽装や代用がもたらす害悪の最たるものを、「子どもの味覚が混乱させられる」ことと言っておられました。日本の食文化の重要な一部分である寿司という伝統食。偽装魚・代用魚が横行すれば、子どもはそれが本物だと錯覚してしまう。その話を聞いて思ったのは、松岡利勝農水大臣の強いイニシアチブ(思いつき?)で危うく始められそうになっていた「海外における日本料理の認証制度」のことでした。この制度については多額の予算まで付けられましたが、農水省は先頃断念を発表して、推奨制度にレベルダウンしたと報じられました。「正しい日本食」を広めようという、いかにも傲慢な発想に、海外からは「スシ・ポリス」と揶揄されたこの試み。本当に日本食を守りたいのなら、海外の日本食レストランではなく、国内の回転寿司のネタが本物なのかどうかチェックした方がずっと意味があるし、理解も得られるはず。今からでも遅くないので、大臣と農水省には是非検討してもらいたいと思います。


 


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東京プリンの被り物は意外に重い [jam THE JAM]

  2月22日のジャムザワールド、冒頭のニュースにコメントしたのは、「黒川紀章氏都知事選に立候補表明」「松下電器のガス湯沸かし器で過去に死者48人」「イランへの制裁延長へ」の三本でした。

 黒川氏が立候補を取りやめる日が来るのか来ないのか分かりませんが、この立候補表明を民主党の一部が評価していると伝えられていることに、私は驚愕の思いでした。どう考えたって、民主党にとっての黒川氏が、石原都知事の対抗馬として意味ある候補たりうるとは思えない。もしかしたら民主党、心の底では石原都知事を応援したいと思っているのでは、なあんて勘ぐりたくもなります。これも邪推と言われるかもしれないけど、「黒川氏がオリンピック招致に反対してみせることで、石原氏を規定違反の超豪華海外出張疑惑や身内優遇疑惑のスキャンダルから救い出そうとしている」という可能性が高いのでは。論点ずらしによる露払い。

  イランについては、アメリカ軍がイラク北部でイラン外交官を拘束したままであること、イラン南部のザヘダンでは警察と武装集団の間に激しい銃撃戦があり、イラン政府は米英の諜報機関が背後にいるとしていること、さらに、BBCが報じたイラン空爆計画などについて触れました。なんだか、もう戦争が始まってしまったかのようなのです。このまま終息するのか、次第にエスカレートしていくのか、大変不穏な状態が続いています。

  カッティングエッジでは、熊本の慈恵病院で計画されている「赤ちゃんポスト」について、当の慈恵病院理事長と電話で話しました。熊本市長が上京して、厚生労働省や法務省に「法的な問題の有無」をただしたというのがこの日のニュースでした。両省とも基本的には設置に問題はないとして、どうやら具体化しそうな勢いです。しかし、その後、安倍総理は会見でこんなことを言ったようです。「ポストという名前に大変、抵抗を感じる。親として責任を持って産むことが大切ではないか。すでにそういうお子さんたちに対応するための施設等もある。匿名で子供を置いていけるものをつくるのがいいのかどうか。大変抵抗を感じる」と(BY 朝日新聞)。至極もっともな意見のような気もするけれど、だったら、何故「問題がある」と言い切らずに、「抵抗感」を強調するのか。どうも、政府内部でもこの種の施設を設けることについては両論があって、とりあえずは熊本のこの病院だけに止めたいという感じが漂ってきます。禁止は出来ない、さりとて奨励するわけにはいかない、というどっちつかずの状態。この問題については、できるだけ早く、違った角度から、まとまった記事を別に書きたいと思ってます。予告しておくと、キーワードは「カトリック」です

  15MINUTESは、東京プリンの伊藤洋介さん(右プリン!)をスタジオにお招きして、バブルについて話しました。コーナーの合間に記念写真を撮りましたが、例のプリンの被り物を付けた伊藤さん、いやあ、実に似合ってました。伊藤さんの近著「バブル・アゲイン」を題材に話を進めましたので、興味のある方は本を読んでください。「ワンレン」「アッシー」「ハウスマヌカン」などの“バブル用語”も解説されてますが、そんなカタログっぽい内容は前半だけで、その後はなかなかに感動的な「伊藤洋介物語」になってます(こんな解説の仕方じゃ伊藤さんに怒られるかもしれないけど)。

バブルアゲイン

バブルアゲイン

  • 作者: 伊藤 洋介
  • 出版社/メーカー: アクセス・パブリッシング
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本


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日銀、アルカイダ、中古パソコン [jam THE JAM]

 日銀が利上げに踏み切ったようですね。これで銀行の普通預金金利が0.1%から0.2%。「超低金利が低金利になっただけ」なんて言われてますが、上がったことには変わりない。色々な影響が出てくるのでしょう。今日のジャムザワールドでも多分、お伝えすることになるかと。

 丁度一週間前に、GDPが大幅に上昇しているというニュースを政府が恐る恐る控えめに発表するということがあって、「1月に利上げを見送った日銀の立場がなくなる」からだ、などと説明しちゃってましたから、こりゃ、どうなるのかなと思ってましたが、日銀、反応せざるを得なかったみたいですね。いや、むしろ、先週の発表が、今回の利上げを容認するサインだった可能性もあるでしょうか。経済のニュース、よく分からないです。いや、ホントに。とりあえず、一週間前のジャムを振り返っておきます。

 2月15日のジャムザワールドヘッドラインニュース、冒頭にコメントしたのは、そのGDPのニュース。最新の四半期で1.2%の上昇を受けて大田経済財政担当大臣の会見。使用した音声のなかには「景気は底堅い」などの言葉もありましたけど、全体には控えめな表現にとどまっていました。それから、六カ国協議を受けて北朝鮮支援に動き出す韓国政府、宮崎県東国原知事の初議会所信表明演説の宮崎弁「てげてげ」。以上の三本でした。

 カッティングエッジは、放送大学助教授の高橋和夫さんと電話。米軍座間キャンプに打ち込まれた飛行弾事件について、アメリカABCが「アルカイダの犯行か?」と大袈裟に伝えていることについてとりあげました。高橋さんは一言「チェイニー訪日に抗議して過激派がやったんでしょう」と喝破。私は、イラク戦争への後ろめたさからかアメリカの報道はどんどんと「内向き」になっていて、例えばNASA女性宇宙飛行士の恋敵殺害未遂事件やアンナ・ニコル・スミスさん変死事件などで塗りつぶされている状況、そこに刺激を加えるべく、日本の過激派「テロ」という材料に飛びつき、アルカイダの犯行を推測(邪推?)してみせたということだったのではないかと想像しましたが、高橋さんも同意してくださいました。さらに、アメリカがイラクで犯した失敗をイランでも犯しかねない心配、つまり対イラン戦争を始めるのではないかという懸念などについて話し合いました。その他、日本でもアルカイダとの関係を疑われて乱暴な取り調べや報道被害にあう無実の外国人がいるという話、「日本人は、アルカイダはみなビンラディンのような身なり風体をしていると誤解している」ことなど、興味深い内容でした。

  御存じの方が多いでしょうが、高橋和夫さんは中東問題の専門家で、「アラブとイスラエル-パレスチナ問題の構図」という古典的な名著から、最新刊の「第三世界の政治-パレスチナ問題の展開」に至るまで、何冊かの著書をお持ちです。ご参考までに。

アラブとイスラエル―パレスチナ問題の構図

アラブとイスラエル―パレスチナ問題の構図

  • 作者: 高橋 和夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/01
  • メディア: 新書


 15MINUTESは、ITジャーナリストの津田大介さんをスタジオにお迎えして、中古パソコン関係の話をしました。私も以前、「さまよえる廃棄パソコン」という岩波ブックレットを書いたことがあって、パソコンの広い意味でのリサイクルには関心を持っていました。この日の中心テーマは、中古パソコン業者の認定制度。本来ならば、発売されたばかりのVISTAがマイクロソフト最後のOSになるのかならないのかというような次元の話をもっとするべきだったかもしれません。ネット環境が整うにつれ、パソコンを単なる端末として位置づけるような考え方が強くなっていくでしょうし、そうなると、逆に、中古パソコンはゴージャスすぎるということになるかもしれない。私を含め、今のところはまだ、パソコンの中に全情報財産が詰まっているという人が多いんでしょうけど。ああ、重たい。


 


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六カ国協議 日本の立場は強い?それとも弱い? [jam THE JAM]

  2月8日のジャムザワールド、コメントしたニュースは、宮崎県東国原知事が副知事に元対立候補・持永氏起用の方向(翌日、断念と発表)、柳沢「産む機械」発言に与党・政府から批判と謝罪、都内で抗争の暴力団「手打ち」情報、の三本でした。

  カッティングエッジは、丁度この日に再開された北京での六カ国協議について、お馴染みの辺真一さんに電話で伺いました。この日時点でのお話では、拉致問題での日朝交渉部会が開かれる可能性はあるものの、核問題との質の違いがあり、「水と油」の日朝間で話を進めるのは非常に困難、ということでした。米朝間については、前回までの直接交渉の「成果」を前提に、ある意味で「順調に」推移しそうな勢いでしたが、御存じの通り、その後は少々「難航」の局面を迎えているようです。今回の協議は12日で終わることが決まったようなので、この一日でどんな妥協案に到達するのか、少なくとも北朝鮮にとっては万が一にも「決裂」できる状況ではないと思いますが、その結果はまもなく出ることでしょう。

  15MINUTESは、給食費未払いの問題について、平尾美保さんの「渾身リポート」スタイルでお届けしました。ゲストをお呼びせずにスタッフでテーマに切り込む取材をしてお届けするやり方は、以前のジャムザワールドではしばしば採られていた手法。最近ではあまり例がなく、久しぶりのことでした。

  まあ、未払いといっても引き落とし口座の残金不足のケース、あるいは生活に困っているのに支払い免除手続きが分からず未払いになってしまった外国人父母のケースなどが多く、全国の生徒児童の1%、22億円という文科省の発表は、問題を不当に大きく見せてしまう内容だったことが分かりました。無いとは言いませんが、「悪質な滞納」ということの実質はかなり小さいのではないかと感じました。因みに、給食ということでなら、給食そのものの是非論をやらないと、本当は不十分ですね。私は、これからの時代、かえって給食は必要になってくるという感触を持っていますが、ここではこれ以上述べません。またの機会に。



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蓮池透さん登場。 [jam THE JAM]

 2月1日のジャムザワールドのご報告がまだでした。この日は、15MINUTES・拉致問題特集で蓮池透さんをお迎えして、主に訪朝から戻った直後の山崎拓議員と会談した内容についてお聞きしました。3月中に北朝鮮に大きな変化がありそうだということ、その頃には再度山崎氏は訪朝するつもりであることなど、山崎サイドからの情報に対して、蓮池さんからは「政府と一体となって外交は勧めて欲しい」旨、伝えたということでした。同時に、米朝間の合意が拡がっていく中で、もはや強気一辺倒ではなく、様々な手を尽くして拉致被害者の帰国を実現することに努力を傾注して欲しい、蓮池さんたちはそんな風に考えておられるようでした。

 幸か不幸か、国内的にも安倍内閣の求心力が急速に弱まり、夏の参議院選挙にかけて政治的な流動性が次第に高まっていくなか、北朝鮮による拉致問題解決のための試みは、大きな節目を迎えることになりそうです。以前、「米朝の国交正常化が行われでもした場合、日本はカネの詰まったカバンを持ってあとからついていくことを強いられるかもしれない」という意味のことを言ったことがあり、蓮池さんの認識と近かったことにハッとさせられました。実益を獲得するためには、もはや体面が傷つくことを避けていられないのかもしれません。山崎氏の「俺がやらずに誰がやるんだ」といういつになく頼もしい発言が蓮池さんから伝えられましたが、「二元外交」の誹りを受けながら、仮に山崎ラインでの進展が見えてきた場合、安倍政権は決定的なダメージを受けるのかもしれない、あるいは、そうなってしまう前に内閣改造に踏み切ることができるのか、そこが当面の焦点になるのかもしれません。

 この日のカッティングエッジは、ノンフィクションライターの武田頼政さんと電話で話しました。テーマは、週刊現代に武田さんが連載している《大相撲八百長疑惑》です。相撲協会内部に相当数の情報提供者がいて、武田さんのストレートな問題提起の根拠になっているようでした。電話を切ったあとで考えたことですが、この間の相撲を巡る諸現象、例えば、稽古不足の朝青龍が何故か圧倒的な強さを誇り続けていること、懸賞金がヤケにたくさんになっていること、非常に短い相撲が多くなっていることなど、「八百長」という前提を置いて考えると納得のいくことが多いように思います。まあ、夢のない話ではありますけどね。武田さんは、訴訟をチラつかせながら実際には訴えてこようとしない相撲協会と相撲界に対して、「自分の指摘に正面から答えなくても良い」、ただひたすら、「面白い真剣勝負の相撲を見せてくれるだけで良いのだ」と言っていました。「八百長なし」「カチンコ」といわれた若貴の取材をしてこられた武田さんだけあって、相撲に対する情熱が取材を支えていたんですね

 ヘッドラインニュースの中でコメントを付したのは、〈JR福知山線事故・意見聴取会でJR西日本の責任逃れ〉、〈そのまんま知事の宮崎県で鳥インフルエンザの拡大〉、そして、〈「産む機械」発言の柳沢大臣を安倍総理が徹底擁護、予算委空転〉の三つでした。

 



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2007年 ジャム初め! [jam THE JAM]

 1月4日のジャムザワールド。この日のニュースは、安倍総理が年頭記者会見で憲法改正を参議院選挙の争点化と発言したこと、トヨタが全米販売台数で三位となりビッグスリーの一角を崩すまでになったこと、さらに、台湾新幹線開業直前に陳総統が試乗、の三本にコメントをつけました。

 憲法改正を参議院選挙の争点にしようという安倍総理の目論見は、衆議院の圧倒的多数を保持している間に、可能な限り、憲法改正の流れを作ってしまおうということなのでしょう。同時に、かつての小泉流のやり方、つまり郵政民営化を争点に押し上げて、自民党大勝の流れを作ったあの方法を真似しようとしたのかもしれません。しかし、「郵政民営化」と「憲法改正」はまるで違う。もし小泉流に「憲法改正!」と大声でわめき散らそうものなら、有権者の中に強烈な拒否感情を呼び覚ましてしまうかもれない。相変わらず安倍総理は、目をキョロキョロさせながら、小さい声で、切れ切れに、「憲法を、、、改正することを、、、私の内閣の、、、」などというように、情熱があるんだか無いんだか分からないような言い方しかできない。それはそれで「あいまい戦略」としての一貫性もあるでしょう。でも、なんだかインチキ臭い雰囲気もいっそう醸し出されてくるなあ。何より、日本国民に対してあいまいな姿勢を通す総理大臣なんて、あり得ないですよね。まるで陰謀家のようで、本当に変な総理大臣だ。

 残りの二つ、まずトヨタについては、実は「本当に強大なもの」との衝突だけは巧妙に回避するなかでの全米第三位獲得だったこと(その強大なものとは、一つは石油産業、もう一つはGMとその背後にあるアメリカ人の自尊感情)、だから、ポスト・ハイブリッド戦略こそが本当の正念場だということを述べました。台湾新幹線については、戦前の「弾丸列車構想」以来、日本の鉄道関係者が抱き続けてきた「夢」の実現という意味合いを述べました。それぞれ複雑な出来事なので、ここで述べたことだけで言い尽くせないことは当然ですけどね。
 
 カッティングエッジはフセイン処刑ビデオ流出に世界中が騒然ということで、お馴染みの中東調査会上席研究員、大野元裕さんに電話(その後、フセイン氏の遺体の映像、また別のものも流出していますね)、処刑そのものが、シーア派による報復としての意味合いが強い出来事だったことがハッキリしました。

 15MINUTESはファッション評論家でシャンソン歌手のピーコさん登場。まずはリポーターの平尾美保さんのファッションチェック(マイクロミニスカートのお薦めがありました!)、その後、この一年メディアで大きく取り上げられそうなテーマについてビーコさん独自のコメントを次々といただき、最後はシャンソンの話題でアズナブール来日にまで話が及びました。

 御存じのように、私は毎週月曜日、関西テレビのスーパーニュース・アンカーというニュース番組で、コメンテーターとしてピーコさんとご緒させていただいていますが、ジャムザワールドにゲストとしてお呼びすることは以前からの念願の一つ。その意味でも嬉しいご出演でした。上記の「年賀メール」の末尾に、ピーコさんがどんな気持ちでコメントしているかについて書きましたが、この日も、「自分と戦って」いらっしゃるピーコさんを間近に見て、身が引き締まるような思いでした。

 というわけで、それなりに順調にスタートした木曜日のジャムザワールド、              今年もよろしくお願いします!



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混迷する移植医療の深い闇 [jam THE JAM]

    ラムズフェルド国防長官の更迭に際して再掲した「ラムズフェルドの微笑み」、多くの方に見ていただいたようです。感謝します。続きについては、早急にアップしますので、こちらの方も目を通していただければと思います。さて、とりあえず、今回はジャムザワールドのご報告といきましょう。

    11月9日のジャムザワールドカッティングエッジでは、アメリカ中間選挙結果の日本に対する影響ということをテーマに、月曜日のナビゲーター、角谷浩一さんと話しました。また、15MINUTESは、医療ジャーナリストの油井香代子さんと電話でつなぎ、スタジオには移植コーディネーターの菊地耕三さん(日本臓器移植ネットワーク理事)をお招きしました。移植医療については非常に大きな問題が提起されているわけで、出来るだけ様々な立場の方からお話を聞きたいと思っています。あるべき方向性についても、独り善がりにならないようにすることがかなり大切かと思います。以下、移植医療について、頭の中にあることを少し書き連ねたいと思います。

    今回の愛媛徳洲会病院における臓器売買事件や、そこに関与した万波誠医師による以前からの病腎移植問題は、日本の移植医療の前に立ちはだかる第二の壁ともいうべき出来事です(第一の壁は68年の「和田移植」。功名心にはやった医師が不必要な移植手術を行ったものと言われている)。この問題の解決を誤ると、移植はさらに何十年も現在の停滞から抜け出すことができないのではないか、そんな予感がします。

   「万波移植」については、スタジオに来てくださった移植コーディネーターの菊地さんもそうであるように、非常に憤慨している方が多い。それはそうです。移植に対する一般の信頼は、この事件以降、大きく失墜してしまいましたから。しかし、その反対側には、こうしたやり方も「緊急避難」的に許されると考える人たちもいて、万波医師の元患者たちなどは、万波氏を擁護する団体まで作った。これ、一筋縄ではいかない問題です。

    病腎移植については、「瀬戸内グループ」と称される医師の集団があったことが分かっていますね。つまり、予め、移植用の腎臓に対する個別的なニーズが万波医師のもとにあり、そのニーズを満たすために医師のネットワークが腎臓を供給する。「どこかに使える腎臓はないか」と鵜の目鷹の目なわけですね。そんな意識でいる医者が、まともなインフォームド・コンセントを行えるはずがない。当然、腎臓を「拠出」させる方向に患者を誘導していった可能性が高い。これがまともな移植であるわけがない。詐欺的と言ってもいい。倫理委員会もなければコーディネーターが絡むわけでもない、まさしく勝手に人の腎臓が人に移植されていく世界。そこに金銭が絡めば、すぐに、当初発覚した「臓器売買」的な状況が現出してしまうのは火を見るよりも明らかです。

  他方、9年前にできた臓器移植法によって可能になった、脳死段階での臓器移植。しかし、実施数は伸びていません。臓器提供カードの不足、遺族の不同意、実施医療機関の少なさ、15歳以下の臓器提供が不可能であることなど、様々な障害があるなか、決定的なのは、移植医療そのものに対する世論の反発が依然として解消していないこと。となれば、移植を希望してもほとんど実現しない「死体腎移植」(脳死後の移植と心停止後の移植の双方がある)に見切りをつけ、「目の前の患者を救ってくれる」万波医師のような人に頼ろうという患者の気持ちも実によく理解できる。患者のなかには中国での死刑囚からの移植を試みる人もいるわけで、海外で行われるそのような問題のある移植に比べれば、まだ良心の呵責に苛まれることもない。いや、むしろ、本人が「取り去って欲しい」という腎臓を、まだ使えるのに捨ててしまうのは勿体ないではないかという考え方も成り立ちうる。

  というわけで、今回の問題に、社会の側がどんな形で決着をつけるにせよ、問題そのものの根は余りにも深く、それで一件落着とはなり得ないのです。



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北朝鮮による拉致問題解決を目指して [jam THE JAM]

11月2日のジャムザワールド、全体に、北朝鮮問題一色の放送になりました。ヘッドラインニュースの冒頭から、蘇我ひとみさん拉致犯の女に対する逮捕状というニュース。リスナーにお願いするメールのテーマも、「北朝鮮への経済制裁をいつまで続けるべきか」というもの。勿論、カッティグエッジは、北朝鮮が六カ国協議に復活することで中国・アメリカと合意したという最も大きなテーマについて辺真一さんと電話で話しました。そして15MINUTESは、拉致被害者家族会の事務局次長、横田拓也さん(拉致被害者横田めぐみさんの弟)をスタジオにお迎えしました。                  

*その後も事態はどんどん進んでいて、北朝鮮は「日本は六カ国協議に出席させる必要がない」と言い出しています。拉致実行犯への逮捕状発給と身柄引き渡し要求への反発でしょうか。

    私がナビゲーターを担当するようになって以降、拓也さんをスタジオにお迎えしたのは二度目。いつもキチンとスーツを着こなし、礼儀正しく、また折り目正しい社会人という印象の強い方です。この日のお話の中で一つ意外なことがありました。めぐみさん拉致事件を中心に北朝鮮による日本人拉致問題をテーマとしたドキュメンタリー映画「めぐみ 引き裂かれた家族の30年」を、拓也さんはまだご覧になっていないというのです。その機会が無いというのです。それもそのはず、拓也さんはある食品会社の営業担当者として、各方面をクルマで飛び回る日常を過ごしている。日中開かれることの多い試写会には、そう簡単に出掛けられるものではありません。拓也さんだけでなく家族は常に日常の中に包まれながら、30年間、めぐみさんを捜し求め、そして北朝鮮と戦ってきた。もちろん、他の拉致被害者家族とて同じことです。コーナーが終わって拓也さんが帰られたあと、そのことの重みが胸に迫ってきて、堪らない気持ちになりました。

    もう一つ。15MINUTESのコーナーはいつも間に一曲挟んでいますよね。この日かけた曲は、アンサンブル・ブラネタの演奏で、ドボルザークの交響曲9番の第二楽章ラルゴを編曲したものでした。通常、「家路」と呼ばれている曲。夕陽で校舎の壁がオレンジ色に染まる頃、学校に残っている生徒たちに放課後を知らせる音楽と言ったら、思い当たる人も多いのではないでしょうか。そして、15MINUTESの直後にかけた曲は、「CHANGE THE WORLD」。拉致問題に対するディレクターの思いがこの二曲にはストレートに現れていました。こうしたことに思い当たるたびに、FMラジオで情報プログラムを維持していく意義のようなものを私も噛みしめています。



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高校の未履修問題はどこまで拡がるのか [jam THE JAM]

 ジャムザワールドのご報告がたまってしまいました。直近の分について、まず振り返ります。

 10月26日のカッティングエッジは、教育評論家の尾木直樹さんと「高校の未履修問題」を取り上げました。その後も、この問題を抱える高校の数は増えるばかり。尾木さんは「最大600校くらいになるのではないか」と仰っていました。これ、高校教育問題の「パンドラの箱」を開けてしまった感が否めませんね。学習指導要領に準拠することは、本来は公立私立を問わずに必要なこととされてますが、私学の場合、実態としてはかなり自由なカリキュラムを組めている。当然、大学受験対策という意味でも「自由」に、機動的に対処しているわけですから、そこと競争しなければならない公立高校としては堪らない。授業時間を減らされた結果、既に学校側の選択肢は狭まってしまっていた。そんなところなのでしょう。

 15MINUTESは、「二輪も四輪も走る」レーサーの宮城光さんをお招きして、東京都が計画している三宅島での「公道レース」についてお話を伺いました。

http://www.hikarun.net/

 島の公道を使ったバイクレースを実現し、イギリスのマン島で行われているような世界的なレースに育てることができれば、ようやく全島避難も解除になった三宅島の復興にも役立つだろうということでした。かなり現実性の高い話のようでしたので、これから先、具体的な情報が様々なメディアを賑わせることになるでしょう。
 あまりモータースポーツに興味がなかった私は知りませんでしたが、宮城さんは数々の選手権でチャンピオンに輝いてきた名レーサーの一人。実際にお会いして驚いたのは、既に40代半ばなのに実に若々しいこと。そして、これはレーサーに共通することなのかもしれませんが、眼に異様なほどの光と力が備わっている人だったのです。時速300キロで疾駆する経験を積むことで、そのスピードがライダーの顔を刻んでいく、その影響を最も強く受ける場所が「眼」なのかもしれません。亡くなったアイルトン・セナの眼も凄い眼でしたが、私の記憶の中にある最も凄まじい表情は、日本人初のF1ドライバー、中島悟選手のそれでした。確か、レース直前の、ヘルメットを被った姿だったと思いますが、両眼の周りが大きく落ちくぼみ、その中心で黒い目がランランと光っている。一瞬の判断ミスが大事故に繋がりかねない時速300キロの世界は、やはり人の表情も変えてしまうのだなあと感じたのを覚えています。ホームページを見ると、宮城さんも両足の粉砕骨折などを経験されています。本当に死と隣り合わせの過酷な仕事なのだなあとつくづく思いました。

 溜まってしまったそれ以前の15MINUTESのご紹介を簡単に。

9月14日は、助産師協会の副会長さんをお呼びして、看護師に助産師の仕事をさせていた病院の問題について。21日は東京ゲームショー開催に合わせて、最新ゲームの特徴などについて、ゲームジャーナリストの橘寛基さん(橘さんは元テレビ朝日映像のディレクター。ゲームのみならず、何でもできる方です)をお呼びしました。因みに、助産師や「お産難民」問題については、今月28日発売のOggi(小学館発行のファッション雑誌)の「社会へのアンテナ」(私の連載コーナーです)の欄に記事を執筆していますので、よろしければご覧ください。

 9月28日は、奈良女児誘拐殺害事件の小林薫被告を取材し続けてきたジャーナリストの吉富有治さんにわざわざ大阪から来てもらいました。死刑判決直後にも面会できるほど被告に信用されている吉富氏は、この問題で常に誰よりも先を走ってきたジャーナリストです。放送時には、被告は「控訴する」意向を示していましたが、ご承知のようにその後は「控訴取り下げ」に動き、既に死刑が確定しました。全く勝手な話ですが、いわば、死を賭けた意地っ張りを通し、小林薫は消えていくことになるのでしょう。そのことが遺族に対するなんらの慰藉にもならないことが残念でなりません。

 さて、10月5日は、拉致問題特集として、「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」というドキュメンタリー映画を取り上げ、シドニー・シェリダン、パティ・キムの監督夫妻にご登場いただきました。

http://megumi.gyao.jp/

 映画は来月25日から公開とのことですので、お時間がある方は是非ご覧になって下さい。ドキュメンタリー映画として重要なのは、人間的なものの根源に触れているかというところかと思います。その意味で、この映画はドキュメンタリーとしての資質を備えている。拉致問題にはあまり感心がないという方に、むしろ観ていただきたい気がします。少なくとも、観て損はありません。

 10月12日は顎関節症について。歯科医の方に話を聞きました。たまたま、「あやや」こと松浦亜弥さんが顎関節症でコンサートをキャンセルしたということで、取り上げました。

 10月19日は、前長野県知事、田中康夫さんをお迎えしました。実は、当日午前中にスタジオで収録したものを編集し、当夜に15MINUTESとして放送するという形でした。丁度、衆議院議員の補欠選挙が神奈川と大阪で行われていた時だったので、あまり生臭いことが聞けなかったのが少々心残りでした。現在の田中さん、新党日本の代表という微妙なポジション取りにもかかわらず、実は、自民党と民主党が対決する今後の選挙シーズンの中で、キーマンの一人と言っても良い存在です。補選のときも、早速、大阪に乗り込んで民主党候補の応援演説をしていましたし、ご自身が来夏の参議院議員選挙に出るのではないかというのがもっぱらの観測。補選後も続く、福島県知事選挙、沖縄県知事選挙などでもおそらく田中さんの姿が街頭で見られることになるのでしょう。まあ、逆説的ですが、長野県知事として経験してきたことがらを田中さんに聞く最後のチャンスだったのかもしれませんので、敢えてこの時期にお呼びしたことに意味があったと考えることにしたいと思います。因みにこの週は、いわゆる「レーティング週」でした。

 

 


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